事務長 中村 博
“介護人材 Q&A” (産労総合研究所) 2015年7月号に掲載されました。
☆「介護人材Q&A」ホームページ
http://www.e-sanro.net/iryo/i_books/i_kaigojinzai/
株式会社産労総合研究所
東京都文京区千石4-17-10 産労文京ビル
http://www.e-sanro.net/iryo/
事務長 中村 博
“介護人材 Q&A” (産労総合研究所) 2015年7月号に掲載されました。
☆「介護人材Q&A」ホームページ
http://www.e-sanro.net/iryo/i_books/i_kaigojinzai/
株式会社産労総合研究所
東京都文京区千石4-17-10 産労文京ビル
http://www.e-sanro.net/iryo/
啓和会グループのいくつかの施設には、かわいいアクアリウムがご利用者さまに癒しのひとときを提供してくれています。
そのすべての水槽の立ち上げからメンテナンスまでを企画されているのが水景デザイナーの眞田直和さんです。今日は週1回のお手入れの日、手際よく水換え、水草のトリミングをされています。野末整形外科歯科内科の3つの水槽の1つは、”ニモ”で有名なカクレクマノミが泳いでいます。海水魚は水質変化に弱く、小さな水槽で飼育することはとても難しいとされていますが、とにかくみんな元気。手がけられた水槽すべてに、眞田さんの愛情が注がれています!
気持ち良さそうに泳ぎ回るカクレクマノミ(夫婦?)
水質管理も大変ですが、水槽をデザインするってすばらしいですね。
左)歯科受付のアクアリウムと眞田さん。右)宮島先生との2ショット。
☆アクア環境システムTOJO:
http://aquarium-therapy.jp
ダバオはフィリピン南部ミンダナオ島に位置する、マニラ、セブとならぶ大都市。
1年前、イサギラ・ロセラさん(現30歳)と愛娘の雪美ちゃん(現9歳)が暮らしていた街です。日本国籍をもつ娘といっしょに、日本で暮らすことが夢だったロセラさん。日系人向けに就労支援などを行っている法人やエージェントを通してチャンスを伺っていました。
◎来日前
そんな時、SNN(親日系人ネットワーク)というNPO法人が “道” を開けてくれました。Facebookを使って、日本とテレビ電話で面接。
「日本に行く前の研修制度や、日本での福利厚生など、啓和会のサポートは介護関連企業では特別だと思いました。また日本にフィリピン人の人事担当者がいることも安心できた理由のひとつです。選んでいただいて、本当に感謝しています」
ダバオから単身で3ヶ月半。セブでのトレーニング。セブ・ドクターズ・ユニバーシティという大学で介護の資格(初任者研修に該当)を取得し、ほぼ毎日、日本語学校で、ひらがな、カタカナがなんとか読めるくらいまで勉強しました。
◎来日直後
2014年2月。フィリピンには無い、自分の名前にある “雪” が見たかった娘と二人、待望の来日。ちょうどそのころ川崎市にも、二人を歓迎するかのように、珍しく雪が降りました。その日から、すぐに生活できるように啓和会での準備は万全です。でもロサリーさんがナイーブになるのは子供のこと。特に学校教育についてでした。近年、外国人の人口が増加している川崎市には、日系や外国人児童のための就学支援を行う”川崎市総合教育センター”という行政機関があり、何かと親切に対応してくれます。その一つが、入学前の親子との面接です。
「面接といっても会話ができなかったので、付き添ってくれた啓和会の金子マリテスさんに全てお任せでした。学校のこと以外でも、その頃は困ったら、何でも相談していました。いまでもですが・・」
◎現在
「私が勤務している小規模多機能ホームは、とても家庭的な職場です。ご利用者さんも、スタッフも、みんなまるで家族のように接してくれます」
食事の支度はロセラさんのお得意です。日本料理は日本人顔負け?中でも煮物(かなり難しい)には自信があるとのことです。学校が休みの日には、同じ直接受入で入社した田中ロサリーさん家族といっしょに、ディズニーシーに行ったり、上野動物園でパンダを見たり。子供もすっかり日本での生活に慣れて、学校生活をエンジョイしているようです。啓和会で開校している日本語教室では、悪戦苦闘しているロセラさんですが、目標は日本での介護の資格取得。頑張ってください!ネバー・ギブアップ!
◎菅野施設長
「自分の中で、介護人材において外国人の力が必要という考えが強かったので
最初から全てがスムーズでした。言葉の問題などはまったく苦にはなりませんでした。フィリピンの方みんながなのか、彼女がなのか、とにかく気持ちが優しいです。そのあたりはご利用者さんが一番感じていると思います。私の指導スタイルは、最初から決して褒めない。きちんと言う。それにしっかりついて来てくれたロセラさんです。十分に資格が取れる資質があると思います」
日本には四季があります。特に冬の寒さはフィリピンにはありません。
でもロセラさんは半袖のユニフォームで元気いっぱいです。
ご飯を作ったり、掃除をしたり、いっしょに洗濯物をたたんだり。ご利用者さまとの楽しい毎日。でもお年寄りなのでちょっとしたコンディションの変化には細心の注意が必要です。
週2回、日本語教室でお勉強。本人はもちろん家族も受講料はありません。
子供たちに負けずにみんな、頑張ってくださいね。
フィリピンからの介護スタッフ直接受入を積極的に展開する啓和会グループですが、の中でも石井サヤゴさん(現25歳)はちょっと変わった経緯で入職されました。母方の祖父が日本人で、日系のサヤゴさんは、生粋のセブ生まれ、セブ育ち。地元のセブ・ドクターズ・ユニバーシティ(大学)で看護を学び、看護師の資格を持つキャリアガールです。
◎来日前
大学2年の時、静岡に住む母親から「日系人向けの仕事もたくさんある。政治経済も安定していてとても暮らしやすいから」と日本移住を強く勧められたそうです。その頃から頭の隅には、いつも日本で働いている自分がいました。大学卒業後は、CCSDTIというケアギバースクール(介護学校)で、クリニカルインストラクターとして勤務していましたが、ある時、前出の母校を通して啓和会に遭遇します。その後はトントン拍子に話が進み、面接には日本から常務お二人が直々に駆けつけたそうです。介護職未経験の採用が多い中、看護資格を持ち、さらに介護の指導も経験している、サヤゴさんはまさに “即戦力の期待の星” でした。その後セブでの約3ヶ月間のトレーニングで介護資格取得と日本語の猛特訓。万全の準備で日本へ出発しました。
◎来日直後
2015年10月末に来日。「言葉の不安を忘れてしまうほど、日本での生活がスタートする嬉しさで胸がワクワクしていました」仕事に関しては
「実際に介護の現場で働いてみると、仕事で教えていた時のイメージとずいぶん違っていました。ご利用者さんも先輩もみんなとてもやさしいので驚きました。
石井施設長は自分が休み時間のときでも、いろいろと教えてくれるので感謝しています」
◎現在
「いまは毎日が満足。疲れていても仕事から家に帰って一息つくと、幸せがこみ上げてきます」インタビュー中もずっと笑顔、目がキラキラ輝いる石井サヤゴさん。これからの目標は
「一つ目は日本に来て4ヶ月ほど経ちましたが、もっともっと日本語を勉強しなくては。N3(日本語検定資格)は早く取りたいです。2つ目は、日本の介護の資格を取りたいです。まずは初任者研修。時間はかかりそうだけど・・」
三つ目は何? ひょっとして恋? どんどん日本の暮らしを楽しんで、どんどん日本を好きに、啓和会を好きになってください!
◎グループホーム啓和 網中雅司主任コメント
「4ヶ月経ちましたがご利用者さまとの信頼関係も築けていて、もうすっかり一人前です。会話に関してもまったく気になりません。たまに英語が入ったり、お陰でとてもグローバルな職場になりました。細かい所にまで目が届き、気配りが行き届いている点に驚きます。また看護師の資格をもつ彼女から、逆にボクたちが、採血の成分表の見方やお薬のことなどを教えてもらったりもします。看護師というバックボーンを活かしながら、彼女らしい仕事にこれからも期待しています」
調理も仕事の一つです。先輩の指導を受け、日本の味付けに四苦八苦する石井サヤゴさん。
勤務するグループホームは共同生活が基調。介護施設の中でも家庭的な雰囲気をもつ職場です。ご利用者さまとスタッフみんなの信頼関係が不可欠です。みなさん仲良しです。
ほぼ同期入職の仲間とその家族。日本の生活をエンジョイしています。
入社早々の石井さんの歓迎会。手作りのフィリピン料理を食べながら、
さまざまな職場のスタッフが集まり、楽しい時間を過ごしました。
ダバオで生まれて、マニラで暮らしていた田中ロサリーさん(現31歳)が、啓和会グループで働くために日本に来たのは、2014年11月14日。二十歳のころタレントとして来日して以来、日本人との間に生まれた息子といっしょに、10数年ぶりの日本での生活がスタートしました。
◎来日前
息子の勇気くんは日本国籍をもっていて、かねてから日本での生活を望んでいたので、日系人向けのエージェントに相談していました。いくつかの候補の中から、啓和会を選んだのは、待遇はもちろん何よりも本当に必要としてくれているというハートが強く感じられたため、とのこと。
インターネットでの面接、日本の担当者・金子マリテスさん(フィリピン出身)との
やりとりなどを経て、採用が決定。契約の後は、入管の手続き、日本の生活のためのさまざまな準備と並行して、来日に向けてのトレーニングが、セブの教育機関でスタートしました。息子とは3ヶ月半、離ればなれ。日本語と介護の特訓です。フィリピンでの資格を取得した後、いよいよ来日となりました。
◎来日直後
啓和会の受入準備は万全です。空港までのお出迎えに始まり、すぐに暮らせるようにアパートメント、家具なども用意。住民票などの申請、銀行口座の開設、学校の入学のためのたくさんの手続きなど何から何までサポートします。
「日本に来る前は少し心配でしたが、着いてみると何から何まで準備してくれていたのですべて快適でした。問題はコミュニケーションだけ。特に息子は友達とも馴染めず、いじめられたりもしました。でも1年経った今は友達もたくさんいて、家でいっしょに遊んだりしています」
啓和会ではデイサービス東小田に配属された田中さん。
「最初はほとんど言葉が通じず、迷惑をかけてばかり。ヘコみました。でもご利用者さん、スタッフ、みんなでフォローしてくれたのでなんとか乗り越えることができました。感謝しています」
◎現在
「困った時になんでも相談に乗ってくれるのが、金子さんです。プライベートなことですが忘れられないのは、息子が夜中に高熱を出したときのこと。3:00AMに電話をかけて助けてもらいました。学校が休みの日は、ディズニーランドや動物園にも連れて行ってくれます」
これからは苦手な日本語の読み書きを克服して、日本の資格取得が当面の目標のようです。啓和会では外国人スタッフ、家族のための日本語教室を無料で週2回開校しています。
「水曜日と金曜日。仕事が終わったあと、息子と二人で勉強しています。N3はなんとしてもクリアしたいのですが・・・」
日本語レベルは勇気くんに完全に置いていかれています。
◎デイサービス東小田 桑原施設長コメント
「初めから “外国の方” という意識はまったく無かったです。仕事の運びはまだまだでしたが、とにかく彼女には天性の明るさがありました。いつも前向きな彼女と話をして、癒されることも多かったです。ラテンの血でしょうか? お皿を割ったり雑なところもありますが、とにかく場を盛り上げるのが得意、ご利用者のみなさんにも人気です。でも日本語の読み書き、料理も(レシピが読めないから)苦手だったり、最近は少し厳しく指導するようにしています。それだけ期待しているということですね」
パソコンを使ったお絵描き教室では、先生のサポート役も(左)
この日は “節分” 。豆まきの “鬼” 役はロサリーさん。
民家を利用した職場は、とても家庭的な雰囲気です。
今日も1日、お疲れさまでした。自宅まで徒歩数分、家族が待っています。