2016年08月12日

ミャンマー視察

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神奈川県保険医協会が出版している「保険医新聞・銷夏特集号」に掲載された医療法人啓和会・神山重子常務理事の寄稿文を紹介します。

川崎市川崎区 神山重子

ミャンマーは、田園風景の中に金色に輝く寺院パゴダが点在する美しい国である。市場開放に伴い外資系の企業が参入してきているが、インフラ整備が追いつかず、築20年のビルを借りるのに丸の内と大差ない賃料の支払いを要する。街中には新しい建物が不足しており、100年前の英国統治時代の建物がそのまま使用されている。
旧首都ヤンゴンは人口736万人の大都市だが、貨幣価値は日本の10分の1以下、大卒の給与は1カ月1万5千円くらいである。卒業後も仕事がなく、日本語ができると月10万円の収入になるので日本語を勉強している人も多い。識字率が高く、農村の人も合わせて90%以上が字を読める。
敬虔な仏教徒で、街には子供や大人の僧侶が托鉢をしている姿やパゴダと呼ばれる金色の寺院が多くあり、人々が寄進している。
介護に対する考え方は、困っている人のために仕事をすることは功徳を積むことになり、それにより来世でまた人間に生まれ変われると信じ、尊い仕事と認識している。街には貧しい人も多いがバナナやマンゴーの木が自生しており食に困ることはなく、ストリートチルドレンや浮浪者はいない。野良犬、野良猫もえさを貰えるので、のんびりと暮らしている。ぎすぎすしたところがなく全体的にやさしく真面目な国民性である。
ヤンゴンは、建築ラッシュ、人の流入、それに伴う激しい交通渋滞にみまわれ、移動手段が車かバイクしかないため、懐かしい日本や韓国の中古バスが多く輸入されそのまま使われている。
街全体が50年前の日本であり、そして、日本で技術を学びミャンマーの役に立ちたいと考えている若者が多く、20歳でもはっきりとしたビジョンがある。これからの経済成長が期待される反面、発展のもたらす繁栄が人々の心の豊かさを失わせないようにと祈念する。
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☆神奈川県保険医協会
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