口内炎がなかなか治りません。胃腸と関係があるのでしょうか?

Q : 口内炎がなかなか治りません。胃腸と関係があるのでしょうか?(36歳女性)
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A : 口内炎は口の中にできる小さなおできのようなもので、食べ物を食べる時やおしゃべりをする時に痛みますが、他人から移ることはありません。なぜできるのかははっきりしませんが、口を噛んだり、辛い食べ物を食べたり、ビタミンB12や亜鉛などの栄養素が足りなかったり、ストレスがあるとできやすいです。たいていの口内炎は自然に治りますが、大きいものや治らないものがあったら、お医者さんに診てもらうことが大事です。
口内炎が治らない場合、胃腸の問題が関係していることがあります。口は消化器の始まりの部分であり、胃腸の状態が直接口の中の健康に影響を与えることがあるからです。ストレスや不規則な生活、栄養バランスの乱れなどが胃腸の不調を引き起こし、その結果、口内炎を誘発または悪化させることがあります。また、胃腸の疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は、口内炎を含む多くの外部症状を引き起こすことが知られています。
その他に、口内炎の合併症には二次感染や栄養、話すことへの影響があります。二次感染とは口内炎が細菌によって感染することで、治療がより複雑になります。痛みによって食事が困難になり、栄養不足に陥ることがあります。さらに、口内炎が大きい場合や複数存在すると、いつものように話すことが難しくなる場合があります。非常にまれですが、免疫系が弱っている人では、口内炎からの細菌が血流に乗って全身に広がるリスクがあります。
口内炎を予防するために何が出来るでしょうか?それは、毎日のお食事、口腔ケアやストレス管理に気を付けることです。栄養バランスの取れた食事、特にビタミンB群、鉄分、ビタミンC、葉酸を含む食品を摂取しましょう。また、毎日の歯磨きを丁寧に行い、定期的に歯科検診を受けましょう。硬いブラシや強く磨くこと、歯を噛みしめる癖などが口内炎の原因になることがあります。そして、規則正しい生活を心がけ、1日7時間の充分な睡眠を取りましょう。リラックスして、趣味や気晴らしで心のバランスをとりることも心がけてください。口を刺激する煙草やアルコールの摂取を控えましょう。コーヒーやチョコレートの取りすぎも口腔内を刺激し、口内炎を引き起こす原因となります。
健康はまず口のお手入れから。啓和会野末整形外科歯科内科では1階の医科、2階の歯科のクリニックが力を合わせて、介護サービスと連携し、地域の皆様の健康に切れ目なく貢献します。

参考】
Disease and conditions, Canker sore – Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/canker-sore/symptoms-causes/syc-20370615

口内炎-公益社団法人神奈川県歯科医師会
https://www.dent-kng.or.jp/hagaitai/120/

父の口臭が最近ヒドいです

Q : 同居の父、入れ歯の洗浄や手入れはきちんとしているのですが、最近口臭がヒドいです。胃や腸の影響もあるのでしょうか?(35歳女性)

A : 口腔ケアまで気にされるとは、お父様へ心遣いが素晴らしい!餃子や生タマネギを食べた次の日、自分では気が付かないことも・・・
口臭には生理的口臭と病的口臭の二つに分けられます。
生理的口臭の原因には、加齢時、起床時、空腹時、緊張時、疲労時、妊娠時、月経時、思春期、更年期など、自分の調子によるものがあります。もちろん、ニンニク、アルコール、薬物など体の外から取り入れたことによるものもあります。
病的口臭の原因には、虫歯や古い銀歯、差し歯、歯周炎、舌苔、副鼻腔炎、咽頭喉頭炎、悪性腫瘍、そして口腔外疾患では高度のストレスに加えて、糖尿病、肝疾患、腎疾患、シェーグレン症候群、リウマチ、自己免疫疾患などが影響を与えるようです。この際、体調の変化によって、腸内細菌叢(さいきんそう)が変化しているとも言われます。
お口のお手入れですが、一部の口臭は嫌気性の原因菌が繁殖して起こるため、歯の表面、歯の間、歯周ポケットの中、舌の表面を日常的にお手入れしてください。毎日のセルフケアに併せて、歯科医師・歯科衛生士による専門的ケアを数か月に一度程度行うとより一層、効果的です。まずは適度な飲水、口腔ケアを心がけ、生活習慣も併せて見直してゆきましょう。野末整形外科歯科内科では医療と介護、どちらの相談も受け付けております(金崇豪)