2018年10月09日

最近よくため息が・・・すぐに疲れてしまいます

Q : 最近よくため息がでます。好きだった買い物もすぐに疲れてしまいます。(55歳女性)

A : 女性の50代、子育てもお仕事もひと段落、さぁこれからますます人生が充実してくる年代!とはいえ、どなたでも気分の波はありますよね。まずはお食事、睡眠、運動などご自身の生活の見直しからです!鉄分やビタミン、繊維質、タンパク質など栄養のあるものをしっかり摂りましょう。夜更かしに気を付けて、散歩やジョギング、筋力トレーニングなども時に有効です。しかしながら、楽しめていた趣味が楽しめない、集中力が続かない、食べられない、眠れない、考えられないなどの不調が長く続いて生活に支障をきたすようでは注意が必要です。あまり悩みすぎずに医療機関に相談することも選択肢の一つです。

いわゆる町の診療所、プライマリケア医を受診される方の一部はうつ病圏であるといわれ、その代表的な症状として、1)ほとんど毎日の抑うつ気分、2)興味、喜びの著しい減退、3)著しい体重減少、あるいは体重増加、4)睡眠障害、5)精神運動性の焦燥または制止、6)易疲労性、気力の減退、7)無価値感、不適切な罪責感、8)思考力や集中力の減退、9)自殺念慮、自殺企図――が挙げられます。
鑑別診断としては適応障害、軽躁・躁病などの精神疾患から、更年期障害や甲状腺機能障害などの身体疾患および薬剤や認知症、低活動性せん妄、アルコール誘発性を考慮します。

抑うつ症状をきたす方の中には背景に実社会における様々な不安を抱えている方も多くいらっしゃり、治療方法の判断は難しいことも多くあります。当院では院内外の専門の先生とも連携しながら、安定期の治療継続などに携わっております。質問者様もお気軽にご相談ください。
また、当院の物忘れ外来には、楽しめない、食べられない、眠れないなど訴える方も多く来院されますが、ご高齢の方は薬物療法による副作用が出現しやすいため、抑うつ症状に対して薬剤を使用する際は少量から開始し、ご本人だけでなくご家族とも情報共有しながら経過にあわせて慎重に薬剤の種類や量を調節しています。

参考文献
◇上島国利 尾鷲登志美 うつ病:今日の臨床サポートhttps://clinicalsup.jp
◇木村勝智 プライマリ・ケアにおける「不安」の評価法 総合診療 27巻9号 (2017年9月)
◇谷将之 大坪天平 高齢者のうつ病 (押さえておきたい! 心身医学の臨床の知 44)
– 心身医学, 2012

よくつまづきます。父がパーキンソン病でした

Q : 最近、家の中でよくつまづきます。父がパーキンソン病でしたが、まさか遺伝はしませんよね。(57歳女性)

A:段差も何もないところで転んでしまうこと、ありますよね。私の友人は足の小趾をぶつけることが多く困っています。さて、パーキンソン病とは、振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)の4つを主な運動症状とする病気です。つまづきやすい=転びやすいと解釈してお話を進めていきましょう。
パーキンソン病は50歳-65歳で起こることが多い病気です。40歳以下で起こる場合は、若年性パーキンソン病と呼ばれます。
ほとんどの方では特別な原因はありません。神経細胞の中にαシヌクレインというタンパク質が凝集して溜まることがありますが、食事や職業、住んでいる地域など、原因となる特別な理由はありません。根本的原因は特定されていませんが、病態として大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少することで体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなります。

質問者様もご心配の点ですが、パーキンソン病の9割以上は遺伝しません。稀に、若年性の一部で家族内に同じ病気の方がおられ、遺伝子が確認されると家族性パーキンソニズムと言われます。最近は,孤発性か家族性かを問わず、遺伝子の異常,あるいは遺伝子と環境因子の相互作用でおこる疾患であると考えられるようになり、治療法の開発研究も神経変性機構への介入実験を通じて進められているのが現状です。

症状には運動症状と非運動症状があり、運動症状として初発症状はふるえ(振戦)が最も多く、次に動作の緩慢さ、痛みなどがありますが、姿勢保持障害やすくみ足、筋強剛で発症することはないようです。ふるえは安静時の振戦で、動かすとふるえは小さくなります。動作緩慢は動きが遅くなり細かい動作がしにくくなることです。最初の一歩が踏み出しにくくなる「すくみ」が起こることもあります。姿勢保持障害はバランスが悪くなり転倒しやすくなることです。姿勢保持障害は病気が始まって数年してから起こります。筋強剛は他人が手や足、頭部を動かすと感じる抵抗を指しています。運動症状のほかには、便秘や頻尿、発汗、易疲労性(疲れやすいこと)、嗅覚の低下、起立性低血圧(立ちくらみ)などの自律神経障害や、気分が晴れない(うつ)、興味が薄れたり意欲が低下する(アパシー)、認知機能障害、睡眠障害などの多彩な非運動症状も見られ、パーキンソン複合病態として認識されることもあります。

治療の基本は薬物療法です。ドパミン神経細胞が減少するため少なくなったドパミンを補うためにドパミンの材料であるL-ドパやL-ドパの作用を強める代謝酵素阻害薬、それらの合剤を服用します。また、ドパミン神経以外の作用薬に、アセチルコリン受容体に作用する抗コリン薬、グルタミン酸受容体に作用するアマンタジン、アデノシン受容体に作用するイストラデフィリン、シグマ受容体に作用するゾニサミドがあります。さらに、難治例には手術療法は脳内に電極を入れて視床下核を刺激する方法も行われます。
日々の中で気を付けることができるのは運動です。体を動かすことは体力を高め、パーキンソン病の治療になります。激しい運動ではなく、散歩やストレッチなど、毎日運動を続け体力を高めることは重要です。また、気持ちを明るく保つことも重要です。気分が落ち込むと姿勢も前かがみとなり、動作も遅くなります。私たちが意欲を持って行動する時は脳内でドパミン神経が働いていると考えられています。日常生活の過ごし方も大事な治療ですので、ぜひ工夫してください。
パーキンソン病の中にまれに遺伝が関係するものもあるようです。気にかかる症状があれば遠慮なくご相談ください。当診療所内科では専門科の先生と連携して診療にあたっております。(金崇豪)

参考文献
◇葛原 茂樹 パーキンソン病治療の現状と展望 臨床神経,48:835-843, 2008
◇変性疾患部門(家族性パーキンソン病)順天堂大学医学部付属順天堂医院ホームページhttp://www.juntendo-neurology.com/n-hensei2.html 2018年9月7日アクセス
◇パーキンソン病 難病情報センターホームページ http://www.nanbyou.or.jp/entry/169 2018年9月7日アクセス

 

母が最近外出しなくなりました。若年型認知症?

Q : 以前は毎週のようにカラオケに行っていた母が、最近外出しなくなりました。まだ55歳なので認知症ではないと思うのですが・・(30歳女性)

A : 55歳。家庭内では子育てや受験もひと段落、キャリアでは管理職、充実した日常の中にも更年期障害をはじめさまざまな健康問題が気になる頃ですね。
そもそも認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」をいいます。
DSM-IVという診断の基準では、記憶障害に加えて失語、失行、失認、遂行機能障害などの認知欠損があること、それらにより社会的・職業的機能の障害があること、せん妄の経過中にのみではない認知欠損がある、などの項目があります。

認知症の原因としてはアルツハイマー病が最も多く、ピック病など前頭側頭型認知症は、記憶障害よりも性格・行動面の変化が目立ち、レビー小体型認知症はアルツハイマー病とパーキンソン病の特徴を併せもつといわれます。脳血管性認知症の診断には認知症状態・脳血管疾患の存在、症状と脳血管障害発症の時間的関連性が必要となります。また、治りうる認知症としてはうつ病の仮性認知症と薬物惹起性の認知症様状態が有名で、さらに、スピロヘータ、HIVウイルス、プリオンなどによる感染症が認知症の原因となることもあります。
さて、お母様は55歳。65歳までに発症する若年型認知症の診断はいろいろな意味で「難しい」とされます。一方で鑑別診断は多岐にわたり遺伝的要因の可能性が老年性認知症よりも高くなるため、認知症進行の病態を理解する重要な手掛かりがあるとされ診断、治療の研究が進んでいます。

若年型認知症の治療法として、症状の進行を緩やかにする薬物治療と併せてデイケアなど各種の心理・社会的な非薬物療法があります。また、日々の介護で心身ともに疲れきっている介護者への介護という視点も大切であり、認知症の精神症状・行動異常に対して、介護保険など社会的支援制度、薬物治療、非薬物治療を含めたアプローチをいたします。日本全国の若年性認知症は4万人弱と推計されており、血管性認知症とアルツハイマー病が多いのですが、うつ病などの精神疾患との見極めが難しく、高齢者の認知症よりも障害雇用などの社会的サポートの充実が必須と言われています。
質問者様のお母様の場合ですと、外出が減った事実のみで即、認知症とは言い過ぎかもしれません。当診療所は専門医への紹介や福祉事務所との連携を通して、さらに当法人全体で医療と介護が力を合わせて地域の認知症ケアをサポートしております。お気軽にご相談ください。(金崇豪)

参考文献:
◇厚生労働省「知ることから始めようみんなのメンタルヘルス総合サイト」(最終閲覧日2018年8月5日)https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html
◇Martin N Rosserら the diagnosis of young-onset dementia. Lancet Neurol. August;9(8):793-806.
◇小長谷 若年性認知症の実態及び支援の現状と課題。老年精神医学雑誌28:1039-1046、2017
◇干場功 行政政策プランに伴うリスク‐若年性認知症に対する施策を中心に‐。老年精神医学雑誌29:171-175、2018

最近ストレスのせいか生理が不安定

Q : 社会人になって半年が経ち、ようやく仕事にも慣れてきました。でも最近ストレスのせいか生理が不安定です。(23歳女性)

 

A : 23歳、新入職のフレッシュなお年ですね。ストレスと言えば5月病、最近では研修期間1か月分遅れて「6月病」もあるようですが、今回は生理=月経が話題です。
月経は女性にとって健康的な日常生活を送るために必要な生理現象で、腹痛やむくみ、頭痛などで悩まされることが多いも、一方で女性の健康のバロメーターでもあります。通常は約1カ月の間隔で起こり、この周期の異常を月経不順と言い、月経に伴う不快症状は月経前症候群や月経困難症と呼ばれます。

月経周期の長さによって頻発月経、稀発月経、無月経に分けられ、最長月経周期と最短月経周期との差が7日以上のものは不整周期月経と呼ばれます。

重症な場合は別ですが、機能的な月経不順のほとんどは経過観察のみで十分とされます。治療の対象となるのは次のような場合です。全身状態の悪化や社会生活に支障をきたしている場合、挙児希望にもかかわらず1年以上妊娠に至らない場合、卵巣機能不全が疑われる場合や肥満・るい痩が認められる場合などは産婦人科、内分泌代謝内科、精神科など各専門医に紹介も念頭に次のように診療に当たります。

まず妊娠を除外し、次に子宮頸がん・体がんなどの婦人科器質的疾患を除外し、基礎体温表を参考にしながら機能性の月経不順を診てゆきます。思春期にみられる月経不順では、神経とホルモンを調節する視床下部の未熟性のための無排卵性周期症が多く、初経の後、性成熟期まで続く月経不順は、多嚢胞性卵巣症候群によるものが多いとされます。性成熟期になってから出現する月経不順は、体重減少や精神的・肉体的ストレスから来る視床下部の機能異常によるものが多いようです。また、45歳以上にみられる更年期月経不順では、卵巣機能低下が原因とされます。

頻度の高さでは思春期月経不順、更年期月経不順、多嚢胞性卵巣症候群、視床下部性(運動性、心因性、体重減少性)、黄体機能不全、高プロラクチン血症などがありますが、重症度では神経性食欲不振症も無視できません。また、稀ではありますが、甲状腺機能異常、クッシング症候群、分娩後汎下垂体機能低下症(シーハン症候群)、アンドロゲン産生性腫瘍(卵巣、副腎)、エストロゲン産生性腫瘍(卵巣、副腎)なども挙がります。
繰り返しになりますが、月経周期の異常と一口に言っても妊娠に伴う性器出血や子宮筋腫など器質的疾患による不正性器出血を月経不順として捉える方も多い様です。

相談者様も、定期的な妊娠チェックや婦人科検診などを心がけ、お悩みがあればご同僚や上司様、ご家族に相談されるのもよいかと存じます。また、適正体重と適度な運動、夜は電気を消して良質な睡眠をとることで月経症状や月経不順は軽くなるとも言われますので参考までに。
なお、内科的なチェックや総合病院専門科へのご紹介は当院外来で行っておりますのでご相談ください。(金崇豪)

 

参考文献:
佐藤幸保監修.”月経不順”.今日の臨床サポート.
https://clinicalsup.jp/jpoc/searchDetails.aspx?SearchTerm=1704&SearchTerm=すべて&SearchText=月経不順.(参照2018-7-1)

宮内文久ら.”夜間勤務時のホルモン動態と月経異常”.産業医学.1992,34,p.545-550

佐久間夕美子.”若年女性の月経前期および月経期症状に影響を及ぼす要因”.日本看護研究が会雑誌.2008,31,2,p.25-36

カラオケに行っても以前のように調子が出ません

Q : カラオケに行っても以前のように調子が出ません。知り合いにはボイストレーニングを勧められたのですが、なかなか敷居が高くて乗り気になれません。他に何か良い方法はあるでしょうか?(60代男性)

A : アンチエイジングの波は声まで来ているようですね!!カラオケは日本の文化。健康維持と社会貢献の観点から声はアンチエイジングの良いターゲットになっております。
声は呼気流で声帯が振動することにより発生します。十分な肺活量、健常な声帯粘膜の振動、さらに口腔、咽頭、鼻腔による共鳴が声の音色を形作ります。
声帯細胞が老化するとビタミンA含有量が低下し、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生が低下します。この変化は男性により顕著で、声帯粘膜は委縮し固く変性します。また横隔膜などの筋力低下や脊椎の前弯による胸郭の変形で呼吸機能が低下すると声門下圧が下がります。共鳴腔の老化は軟口蓋の筋肉、咽頭括約筋の減弱化とともに音色の形成、声の響き、滑舌などに影響を与えます。
声のアンチエイジングとしては、声帯の潤いのための十分な水分摂取や胃酸逆流症のコントロールが重要です。また、大声、高い声や囁き声の乱用にも気を付けましょう。質問者様がお知り合いに勧められた発生訓練(音声治療)も声帯筋をはじめ呼吸・共鳴の適正化を目指した治療として行われます。サプリメントでは抗酸化物質のアスタキサンチンもビタミンCの6000倍ともいわれるその強力な抗酸化作用とともに有用性が認められているようです。併せて、また、最近では線維芽細胞増殖因子を声帯に直接注射する再生治療が行われている施設もあるようです。
敷居の低いところでは、水分補充と胃酸の逆流、骨粗鬆症の治療から始めてみてはいかがでしょうか?当診療所、内科・整形外科外来でご相談ください。興味深い質問ありがとうございました!(金崇豪)

あがり症で結婚式のスピーチが心配です

Q : あがり症で、人前に出ると言いたいこともすっ飛んでしまします。友人の結婚式のスピーチに向けて一時的な対処方法は?(28歳男性)

A : 友人や親戚の結婚式、スピーチはつきものですよね。苦手であっても新郎新婦の晴れの舞台ですから頼まれれば断りにくいものです。
さて、人前での発表などで起きやすい「あがり症」は比較的強い不安ですが、日常生活や社会機能を著しく障害しなければ正常範囲の不安とも言われます。一方でこの「あがり症」は精神疾患の社交不安障害との類似も多く、これら「不安」にはカウンセリングや瞑想、運動、認知行動療法、薬剤で症状が改善することが分かっています。
カウンセリングでは生活のストレスについて話し合い問題領域を特定すること、特定された問題領域への対処法について話し合うこと、問題に対する進展の評価や臨床的要求について話し合うなどのステップを踏みます。また、近頃流行りのマインドフルネスや瞑想も不安だけでなく痛みや抑うつに対して、ある程度は効果があるようです。また、認知行動療法はより効果的で、認知行動療法単独でも薬剤と組み合わせても行われます。薬剤ではベンゾジアゼピン系や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が効果的であるといわれます。
心理学的なアプローチからは「あがり症」の原因には失敗への不安、責任感、性格感情などの個人の特性、準備不足感、新奇性、他者への意識や劣等感などがあるようです。一時的ではありますが手軽な対処として、声を出して繰り返し練習するなど準備に十分な時間をかけることで、失敗への不安や準備不足感を減じてみてはいかがでしょうか?
任されたスピーチを準備した通り流暢にこなすのも良し、初々しく「あがってしまう」謙虚さを魅せるのもまた良し。いずれにせよスピーチを引き受けたそのこころざしは新生活への花向けになること間違いなしです!(金崇豪)

終末期医療は話題ですが実感がわきません

Q:一昨年父をがんで亡くしました。父は病院で亡くなりましたが、看病していた母は、自分は最期まで自宅で暮らしたいと言うのが口癖です。テレビでも終末期医療は話題ですが実感がわきません、教えてください?(64歳男性)

A:ご自宅で最期を過ごされたい、そんな希望があればできる限りお応えしたいと常々思っています。お看取りは人生の最期(臨死期)において「お世話をする」、「見守る」、「看病する」行為であり、緩和ケア、終末期ケアと密接に関連があり、在宅医療の中では大きなトピックです。
緩和ケア、終末期ケアは、患者さんご本人の意思を尊重し、身体的、精神的、社会的、霊的苦痛(スピリチュアル・ペイン)を緩和することで、その人なりが充実したと思える最期を迎えられるように、ご家族・介護スタッフ・医療スタッフで連携して援助することを指します。
さて、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関する厚生省のガイドラインが2018年3月に病院だけでなく在宅医療・介護の現場でも活用できるよう改訂されました。以下に簡単にまとめますので、よろしければご参照ください。

医療・ケアチームに介護従事者も含まれることが明確になりました。
時間の経過や心身の状態におうじて本人の意思は変化しうるものであることが確認されています。
本人が自らの意思を伝えることができなくなった時に本人の意思を推定する者について、家族や親しい友人も含めて前もって定めておくことなどの重要性を強調しています。
話し合ったことはその都度文書にまとめて共有しておくことが大切です。
どうしても意見がまとまらないときには医療・ケアチーム以外の複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置することも考慮します。

私ども啓和会では医療と介護の融合したサービスで、これからも川崎区南部の地域包括ケアに尽力して参ります。お困りのことがあれば何なりとご相談ください。(金崇豪)

はしか(麻疹)が流行っています。予防接種は?

Q:はしか(麻疹)が流行っているようです。予防接種をしたほうが良いのでしょうか?(28歳女性) 

A:2018年4月台湾、沖縄から麻疹感染がニュースになりましたね。健康への関心が高い方は気になっていると存じます。
麻疹は発症すると特異的な治療法がなく、妊娠中に感染すると胎児に影響が出る可能性があるため予防接種による予防が大変重要な疾患です。第1期、第2期の定期予防接種を徹底するとともに、麻疹にかかったことがない場合には2回の予防接種が必要です。
定期接種対象者は予定通りMRワクチンを接種してください。また、海外や国内に旅行を考えている方は2週間以上前に接種を済ませるようにしてください。医療関係者、保育関係者、教育関係者は早期の接種が勧められています。近隣で麻疹患者の発生が認められた場合や、妊婦およびそのご家族なども医療機関にご相談ください。
ただし以下の場合は摂取できません。
・明らかな発熱・急性疾患にかかっているもの
・ワクチンに含まれる成分で激しいアレルギー反応が見られたことがあるもの
・免疫抑制剤を使用しているものや免疫機能に異常のあるもの
・妊娠していることが明らかなもの
・その他予防接種を行うことが不適当なもの
また質問者様は、妊娠出産年齢に当たりますのでワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意する必要がありますが、当院内科外来ではワクチン接種のご予約を承っておりますので、まずはご相談ください。(金崇豪)

予防接種の詳細はこちら

姿勢が悪くておばあちゃんみたい!と言われました

Q : 夫から姿勢が悪くて「おばあちゃんみたい!」と言われました。でも治らないですよね?(59歳女性) 

A:奥様のご様子がつい気になってしまう、優しく素敵な旦那様ですね!
人生100年の時代が来るとも言われる中、みなさも充実した日々をお過ごしのことと存じます。今回は悪い姿勢=姿勢異常についてです。
若年者の場合には成長に伴い変形が増悪する可能性が高い姿勢異常ですが、相談者様はミドルからシニアの移行期。このお年頃での脊柱変形は、腰の変性による側弯症や骨粗鬆による腰の骨折などが多く、日常生活に差し障るだけでなく、逆流性食道炎など内臓の障害にも関係が出てきます。
早めに気づきたい姿勢異常ですが、そもそもご家庭では左右の肩の高さを比べたり、ウエストラインが左右対称かどうかを確認したり、両手を合わせた状態で、体幹を前屈させてろっ骨の出っ張りを観察することお気づきになる方もおられるようです。
少し専門的になりますが、よくある病気では特発性側弯症、先天性側弯症、骨粗鬆性椎体骨折後の脊柱後弯、腰椎変性後側弯症などがあります。また、脊椎骨折、化膿性脊椎炎、脊椎腫瘍、腰椎変性後側弯症で下肢痛や麻痺を伴う場合は重篤な状態が疑われます。一方で、まれではありますが神経・筋原性側弯症、神経線維腫症、間葉性疾患による側弯症、パーキンソン病など、治療可能な病気もあります。変形が進行する場合などは専門医の診察がお勧めです。気になる場合はぜひ、当院外来にご相談ください。専門医への相談も承っております。(金崇豪)

好きだった天ぷら、見ただけでムカつきます

Q : 好きだった天ぷらやトンカツ、最近は条件反射のように見るだけで胸がムカつきます。メンタルでしょうか? (56歳男性)

A:天ぷら、とんかつ、カルビ、から揚げ、とんこつラーメン。胸は焼けますどこまでも・・・ともあれ、むかつき・胸焼けについて調べてみました。
胸焼けの原因は、のど、食道、胃の不調によるものが多いようです。胃や食道は、栄養素等を腸で吸収されやすくするため、食物を粥状液に消化して、少しづつ腸へ送り出しています。胃内を通過する時間は押しなべて2-4時間と言われますが、水分はほとんど時間かけずに通過するの対して野菜や肉や脂肪分は消化に時間がかかります。胃液は蛋白質を分解しますが、脂肪は主に十二指腸で膵臓から分泌される膵液に含まれるリパーゼ等で消化されます。つまり、脂肪の消化には時間を要するので胃が酷使され負担も多くかかってしまいます。質問者様の好物は・・・、思い当たる節があるのではないでしょうか?
また、暴飲暴食、アルコールやタバコ、香辛料、果汁、炭酸飲料も胃酸の分泌を促進するので、胸やけの原因になり得ます。さらに、加齢によって食道を動かす筋力が低下すると食道に胃酸が逆流しやすくなり、肥満も胃や食道の筋肉のゆるみと腹圧の上昇を伴い逆流、胸やけを引き起こします。そして、草むしりや日曜大工などで前かがみの姿勢を続けたり、食後すぐに横になると胸やけを感じることがあります。
規則正しい食事、食後の休息、就寝時のタイミングや姿勢に気を付けてみましょう。また、胃酸を薄める意味で、ガムを噛んで唾液の分泌を促したり、牛乳で粘膜保護を心がけたりすると効果的なようです。それでも症状が続けばまずセルフメディケーション、市販薬をご考慮ください。
当院では内科外来診察に加えて、消化器内科専門医による胃カメラの予約検査も行っております。胸やけなどおなかの症状でお悩みの方はもちろん、胃がん検診もぜひご相談ください。(金崇豪)