冷え性なのでスカートがはけません

Q : 冷え性で寒がりですが、最近は膝頭も寒くて我慢できません。家の中ではサポーターをしていますが、スカートがはけなくて困っています。(36歳女性)

A : 最近の建物は気密性が非常に高いそうです。併せて空調設備もしっかりているような施設では、冬ではなく逆に夏の冷え症が問題になるようです。また、冷え症は女性に多く、男性と女性では快適と感じる温度も差があるようですね。そして、冷える部位は特に手足が多いようで、相談者様も膝頭が寒くサポーターをしてもスカートがはけないとのこと。これでは仕事もはかどらずおしゃれもできない!本当に困りますね。
いわゆる恒温動物である人間の身体には、筋肉や内臓による発熱と、発汗や呼吸による冷却、そして血液を巡らせることで内臓の温度環境(中心体温)を一定にする機能があります。寒さ対策として、身体が手足の血流を低下させ、末梢温度が下がることが冷え症の原因のようです。まずは食事や運動などの生活習慣と空調や衣服など環境調整を行いましょう。夏は調節できるような衣服を持ち歩き、冬は暖かい服装と頭寒足熱を心がけるといいと思います。それでも困った時は内科外来へご相談ください。症状に応じて漢方薬も含めた内服薬、外用薬の調整や専門科の紹介を含めてご相談に乗らせていただきます。(金 崇豪)

ラーメンを食べた後、身体が痒く・・・

Q : 魚介豚骨ラーメンを食べた後、身体全体が痒くなってしまいました。弟が甲殻類アレルギー持ちなのですが、突然症状が出るものでしょうか?(31歳男性)

Q : ズバリお答えします。大人の食物アレルギーは突然やってきます。少し難しい話になりますが、Ⅰ型(即時型)のアレルギーではIgEといわれる抗体量が体内で徐々に増加・蓄積されていき、一定の量(閾値)を超えたときから発症するようです。大好きな蕎麦が突然食べられなくなった!そんな方もいらっしゃるかと思いますが、一口にそばといっても、その原因は血液検査してみないとわかりません。めんつゆなら大豆、小麦、魚介。そばはソバ、小麦。食器に付着していたカビ(!?)、ダニ(!?)。失礼、少し怖い話になってしまいました。
さて、成人の食事アレルギーですが、ある報告によるとⅠ型(IgEを介する)は成人の2%近くが持っており、小児よりは治りにくいと言われます。一方で食餌タンパク質不耐性腸炎はむしろ小児に多いようです。成人食事アレルギーの原因としてはキウイ、バナナ、モモなどの果物、甲殻類、魚介類、小麦粉、そばが多いと言われます。また、症状としては口の周りやノドの違和感、皮膚の赤みかゆみ、まぶた・唇の腫れ、くしゃみ・咳に腹痛、嘔吐、下痢と皮膚、呼吸器、消化器症状が多く出ます。
自身の体調が悪い時、食後に激しく運動した時などに症状が誘発されることもあり、体調に気を付けましょう。時にアナフィラキシーショックという危険な状況になることがあり注意が必要です。
相談者様は魚介?とんこつ?ラーメン?何かのアレルギーがあるのでしょう。現段階ではお答えすることは難しいですが、当院でも症状に応じて専門科紹介も含めて内科外来で対応しております。ぜひご相談ください。(金 崇豪)

少しお酒が入っただけで目まいが

Q : 少しお酒が入っただけで目まいがする時があります。以前はなかったのですが、病院で調べてもらった方がいいでしょうか?(38歳男性)

A  : 「少し」の量には個人差があるように思います(笑)が、めまい、ふらつきは実は注意が必要な症状です。繰り返すようであればぜひ病院で調べてもらってください。耳や首が原因のめまい、小脳など中枢神経が原因のめまい、心臓が原因でふらつきが出ることがあります。
めまい(dizziness)は、回転性めまい(vertigo)、前失神(presyncope)、不安定性めまい(平衡障害[disequilibrium]とふらつき[light-headedness])の4つに分類されます。相談者様の「目まい」はどのような質の「めまい」でしょうか。目が回る、ふらつく、ふわふわする、目の前が暗くなる、気が遠くなる感じがする、などその症状に応じて原因が推測されます。めまいに随伴して脳神経所見(脳幹症状)、指鼻試験・踵膝試験(小脳半球症状)、歩行失調・継ぎ足歩行(小脳虫部症状)が出ているか注意深く見てもらうとよいでしょう。お困りの症状があれば専門科紹介と合わせて診察させていただきます。ぜひご来院ください。(金 崇豪)

糖尿病、遺伝する率は高いのでしょうか?

Q : 亡くなった父が糖尿病だったのですが、遺伝する率は高いのでしょうか?最近は砂糖を控えたり、ご飯の量を減らしたりしています。(46歳男性)

A : 気になりますよね、生活習慣病。46歳ですと働き盛り、食べ盛り(?)でおなかが気になる今日この頃でしょうか。実は、一口に糖尿病といっても1型糖尿病と2型糖尿病は原因の異なる病気です。生きるために絶対に必要なインスリン(ホルモン)が何らかの原因で分泌できなくなった1型糖尿病と、肥満・加齢・運動不足などによって少しずつ分泌不足、作用低下になる2型糖尿病とがあります。
病気の原因については、1型・2型のいずれも発病の背景となる遺伝子異常に加えて、発病の引き金になる環境(生活習慣など)があると言われます。1型と比べて2型糖尿病は遺伝リスクが大きいこともわかっています。
遺伝するのは糖尿病そのものではなく 「糖尿病になりやすい体質」です。この体質を持った人に、食べ過ぎ、運動不足、肥満、加齢、ストレス、感染症などさまざまな環境因子が加わってはじめて糖尿病が発症すると考えられます。2型糖尿病の原因となる遺伝子異常は何種類かの軽い異常が多数積み重なることによってその体質を形成している「複合遺伝」といわれており、糖尿病の遺伝的素因は複雑だと言われています。また、2型糖尿病を含め、成人病には遺伝的素因の他に、食習慣、運動不足、肥満、ストレス、酒・たばこなどの嗜好といった環境的要因が大きく影響します。
民族で比べると、幸運なことにアジア人は欧米の白人と比べる1型糖尿病のリスクは低いのですが、残念なことに2型糖尿病では肥満が軽度なのに糖尿病になる例が多いと言われます。
さて、糖尿病の合併症の多くが腎症、網膜症など比較的小さな血管の障害が中心であり、糖尿病は実は血管の病気であるとさえいわれます。また、糖尿病と並ぶ生活習慣病の一つ、高脂血症などによる動脈硬化は心筋梗塞、脳梗塞などの原因となり大血管の障害も見逃せません。下肢への血行が原因で歩行障害や下肢の切断にもつながることがあります。
「糖尿病は治らない」 とよく言われますが、これは真実です。しかしながら合併症が出ないように管理しながら上手に付き合えば糖尿病に負けずに生きてゆくことは可能です。
糖尿病に負けない最善の手段は、言うまでもなく発症を未然に防ぐことです。そのためには定期検診を受けましょう。 検診で糖尿病そのものが発見される場合や、糖尿病になりやすい体質を指摘される場合もあります。 肥満、食べ過ぎ、運動不足、お酒の飲み過ぎといった危険なライフスタイルについて注意を受けることもあるかも知れませんが、それを機会と捉えて生活習慣の改善につなげましょう!!
糖尿病は家族歴がなくても安心してはいけません。特にアジア人は高リスクの民族です。ぜひご相談ください、内科外来でお待ちしております。(金崇豪)

年々滑舌が悪くなっています

Q : 歳のせいか年々滑舌が悪くなっています。アナウンサーの方はお年を召されていてもハキハキとしていますが、トレーニングで治せるのでしょうか?(56歳女性)

A : アナウンサーの方々は、一見すると簡単にしゃべっているようで、かなりのトレーニングを積まれていると伺ったことがあります。滑舌とは、心理的な状態や身体的な問題、そして心身ともに健康な方でも気温や湿度などの環境など、多くの因子が影響を与えます。そして、身体やこころの内的因子に関しては、有効なトレーニングはあるでしょう。実際、啓和会のデイサービスやグループホームでは嚥下訓練やリハビリの一環として、お食事の前に発生や舌の運動を専門スタッフの指導の下で実施しております。
もちろん、口内炎、舌痛症などお口や義歯のトラブルが原因となれば、当院2階歯科外来へ!構音・呂律障害など気になる点があれば1階内科外来へもぜひご相談ください!(金 崇豪)

タバコを吸うと動悸が早くなる

Q : 朝食後にタバコを吸うと、急に動悸が早くなる時があります。ストレスとか影響しているのでしょうか?(46歳男性)

A : 「やっぱり食後の一服はうまい!」と喫煙者の方はおっしゃいます。非喫煙者からするとまったく理解できないのですが、嗜好品の習慣とはそういうものなのでしょうか? さて、朝食後の一服に続く動悸というだけで必ずしも緊急の対応を必要とするわけではありませんが、動悸のリズムが不整であったり、5分以上継続したり、心臓の病気の既往がある方、男性の方は注意が必要です。ご相談者様のように働き盛りの方は、ストレスはもちろん、睡眠不足、過労などが背景にあることも十分考えられますから頑張りすぎには要注意です。
しかしながら。。。喫煙は百害あって一利なし、1日にたった1本でも有害と言われています。もし、禁煙に興味がある、相談をしてみたいという方は当院にて禁煙外来も行っておりますのでぜひご相談ください。(金 崇豪)

高校生の娘がやたらとソースや醤油を

Q : 高校生の娘がやたらとソースや醤油を使います。我が家の食事は少し薄味です。味覚障害にならないかと心配です。(43歳女性)

A : マヨラー・ケチャラーだけではなく、ソース・醤油も好きな方が多いですよね。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五原味が勢ぞろいした醤油の奥深い味わいはいまや、世界を虜にしているといっても過言ではありません。和食はユネスコ無形文化遺産に登録されており、食育の話題も活発になる一方で、高血圧や、腎機能障害、肝障害など塩分に気を付けなければいけない疾患があるのも事実。いろいろな意味で調味料には注意が必要です。
ご質問者様が気にされている味覚障害ですが、原因となる疾患は多岐にわたるようです。感冒・鼻閉によるもの、亜鉛欠乏性、薬剤性、全身疾患性、口腔唾液腺疾患によるもの、心因性、中枢神経障害、末梢神経障害、頭部外傷があります。当院内科外来でも対応可能なものもあります、必要時は画像検査・専門科を紹介させていただきますのでお気軽にお越しください。(金崇豪)

新聞を読んでいて焦点が定まらない

Q : 新聞を読んでいてなかなか焦点が定まらない時があります。単なる疲れ目なのでしょうか?(56歳女性)

A : 新聞、読書だけでなく現代はパソコン、スマートフォンなど、目を酷使する時代です。いわゆる疲れ目=眼精疲労、ドライアイのほか、視力低下をきたす疾患にも注意は必要です。視力低下を起こす疾患は角膜疾患・前部ぶどう膜炎・急性緑内障などの前眼部疾患から、白内障・硝子体混濁など中間透光体の疾患、網脈絡膜疾患・視神経疾患・外傷など多岐にわたります。
ご質問者様の症状進行がゆっくりとしたもの、治療継続のものは、外来にて対応可能です。一方で、特に急性の視力低下は、当日・翌日に専門科受診を手配させていただくこともあります。お困りのことがあればご相談お待ちしております。(金崇豪)

花粉症持ちですが、雨の日はヒドくなります

Q : 花粉症持ちですが、雨の日はよりヒドくなります。
違うアレルギーなのでしょうか?(34歳女性)

A : 花粉といってもスギ、ヒノキ、イネなど様々ですね。季節によってつらい方も多いかと思います。くしゃみは鼻粘膜へ刺激が脳のくしゃみ中枢に伝達されて生じると言われ、アレルギー性と非アレルギー性の鼻炎が原因と言われます。
アレルギー性鼻炎には好発時期があり、通年性と季節性に分かれ、前者の多くは室内塵(ハウスダスト)、ダニアレルギーで、小児期に発症することが多く、後者のほとんどは花粉症で、10~20歳代に発症することが多いと言われます。
また、非アレルギー性のものには血管運動性鼻炎、好酸球増多性鼻炎が含まれます。これらの頻度は低く、通年性アレルギー性鼻炎や花粉症は、原因抗原が飛散している時期に一致して症状が出るが、血管運動性鼻炎、好酸球増多性鼻炎は、クーラーの効いた部屋に入るとくしゃみが出やすいなどの症状を示します。また、花粉症では、眼症状(眼の痒みや充血)を伴いやすいようです。
ご質問者のケースでは雨で憎悪するとのことですが、症状で今でもお困りでしょうか?一度外来へお越しいただければ専門医への紹介も含めて相談に乗らせていただきます。(金崇豪)

娘に舌が白いと言われました

Q : 娘に舌が白いと言われ、言われてみると以前より白いかなと感じます。毎日歯磨きと舌のブラシはしています。(54歳女性)

A:表面に白くついているのは舌苔といわれるものです。舌自体の色が淡紅色で適度な湿り気があり、舌苔が表面に白く薄くついているものは「健康な舌」です。ご安心ください。
舌は嚥下や発音に重要な機能を持っているのはもちろん、中医学に於いては「舌は内臓の鏡」とも言われ体内の状況を的確に敏感に反映すると言われます。これは、舌の表面粘膜は新陳代謝が盛んで3日で入れ替わること、粘膜が薄く血液の様子がよく見えることがその理由です。舌の状態は、健康な方でもアルコールを飲めば赤くなり、体が冷えると白くなり、暴飲暴食が続くと舌苔が厚くなると言われます。舌やお口の中の問題でお困りでしょうか、当診療所2階には歯科外来もございます。内科、整形外来も力を合わせて、少しでもみなさまのお力になれれば幸い甚大です。ご相談、ご来院心よりお待ち申し上げております。(金 崇豪)