朝起きると、手がしびれたような感じがします

Q:朝、起きた時に手がこわばったような、しびれたような感じがします(70歳男性)
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A:こんにちは。朝、起きたときに手がこわばったり、しびれたりする感じがすると心配になりますね。この症状はいくつかの理由で起こることがあります。
まず機能的な軽いこわばりやしびれの場合、寝ている間に手を長時間同じ姿勢で動かさないことが原因で圧迫されると血液の流れや神経の働きが一時的に悪くなることがあります。起きてしばらく時間がたつと、しびれが徐々におさまり普段通り手を動かすことができます。
一方病気では、関節リウマチによるものでは朝のこわばりに加えて、長く続く痛みや関節の腫れや熱い感じが見られます。手根管症候群などで手の神経の通り道が狭くなると手のこわばりが朝だけでなく、日中も続いたり、力が入らず物が持てなくなったりします。また、糖尿病など全身の病気でも、手のしびれが起こることがあります。
特に、しびれやこわばりの原因が病気の場合もあるのでほうっておいてはいけません。リウマチは手足や首の関節が変形したり、糖尿病では透析が必要になったり、脳梗塞や心筋梗塞など血管の病気のリスクが高まります。これらは一度起こってしまうと後遺症が残り暮らしが不便になってしまうリスクが高いので予防と相談を心がけましょう。こわばりやしびれが長期間にわたり症状が続く場合、医療機関に相談することをお勧めします。
しびれやこわばりは、日頃の生活で気を付けることで予防できる場合があります。寝ている時の姿勢や、適度な運動、栄養バランスの良いお食事を心がけてください。
寝ているときに手や腕が体の下に入ってしまうと、血液の流れが悪くなり、こわばりやしびれを感じることがあります。寝るときに腕を体の下に入れないように工夫すると良いでしょう。
また、こまめに手や指のストレッチや軽い運動を取り入れると効果的です。手の筋肉や関節を動かすことで、血液の流れを良くし、こわばりを防ぐことだけでなく体の動きの維持が期待できます。肩関節や股関節など日頃余り動かさないところもしっかり動かしましょう。最近は動画でも様々な運動を紹介しているものがあるので、”#ストレッチ”等で検索してみてください。
そして、食事や睡眠も大切です。神経や筋肉を栄養する栄養バランスの良い食事をとり疲れをシッカリとることで、健康な生活を心がけるましょう。特にビタミンB群やマグネシウムが豊富な食品を摂ることと生活スタイルに合わせて睡眠をシッカリとる事が、からだとこころの健康を保つために役立ちます。
長くしびれやこわばりがある場合はもちろん、定期的な健康チェックも大切です。年に1回の特定健診などを利用してご自身の健康状態をチェックしましょう。第一に、症状が続く場合や、悪化する場合は、早めに医師に相談しましょう。次に、定期健診・検診を活用しましょう。ご自宅に届いている案内封筒をそのままにしていませんか?定期的な健康チェックを受けることで、早期に病気を発見し適切な治療を受け健やかに暮らしましょう。
啓和会は介護と医療の融合で地域のみなさんの暮らしを支えます。また、診療所では特定健康診査・特定保健指導をはじめ各種がん検診を実施しております。介護が必要な方、訪問が必要な方はもちろんそのご家族もぜひご相談くださいね。

参考)
リウマチお困りごとチェックシート | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR):
https://www.ryumachi-jp.com/general/checksheet/
Newsroom Rheumatoid arthritis, WHO:
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/Rheumatoid-arthritis

足の巻き爪が痛いです。悪化するのでしょうか

Q : 足の巻き爪が痛いです。どんどん悪化するのでしょうか?(67歳女性)
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 A:こんにちは!歩いていても立っていても、ひどくなると寝ていてもずきずき。足の巻き爪が痛いのはとても辛いですね。巻き爪は、爪が皮膚に食い込んでしまう状態で、痛みを引き起したり、ばい菌が入ると膿んでしまうこともあります。
どうして巻き爪が悪化するのでしょう?巻き爪が悪化する理由にはいくつかあります。例えば、爪を切る方法が間違っていたり、靴がきつすぎたりすることがあります。また、足の爪に怪我をしたり、爪が厚くなりすぎることも原因になります。
軽度の巻き爪は、痛みが少なく、爪が少しだけ皮膚に食い込んでいる状態です。中等度の巻き爪になると、痛みが強くなり、爪が深く皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態で赤く腫れることがあります。また、重度の巻き爪になってしまうと激しい痛みが起こり、膿が出ることもあります。皮膚が大きく傷ついてしまうことがあります。
軽症の場合は様子を見ることができますがひどくなる前に病院で診てもらうとよいでしょう。病院では巻き爪の状態や痛みのある部分を診察し、炎症や腫れの状態を確認できます。必要に応じて軟膏や飲み薬等、治療の方針を直接相談することができます。保険証に併せて、アレルギーや持病のある方はお薬手帳を持ってきてくださいね。
予防として日頃生活で気を付けるポイントは3つあります。まずは、①爪の正しい切り方です。そして、②足に合った靴をはくこと、③足や体をきれいにすることが大切です。
切り方のコツですが、足の爪はまっすぐに切りましょう。両端を深く丸く切ると巻き爪になりやすいです。爪の角を少し残すようにして切ることがポイントです。また、足に合った靴を履きましょう。きつすぎる靴や高すぎるヒールは避けてください。足先に適度に余裕がある靴歩きやすい靴が良いです。足をこまめに洗い、清潔に保ちましょう。爪の間や足の指の間もしっかり洗ってください。
また、足の爪だけではなく全身に効果のある事ですが、屋外での適度な運動も効果があると言われます。足の筋肉が鍛えられ、日に当たることで全身の免疫が高まり、代謝が良くなり、巻き爪だけでなく全身の病気を予防することができます。おまけにビタミンDの活性化で骨も丈夫になります。過ごしやすい時間での散歩やストレッチなど、無理のない範囲で運動を取り入れましょう。
まずは定期的に爪をきりましょう。その時に爪の様子も確認し、早めにケアすることが大切です。巻き爪の初期段階で対処することで、悪化を防ぐことができます。繰り返しになりますが、もし巻き爪の痛みが続く場合は、お近くの医療機関を受診してくださいね。
啓和会では地域のみなさんの医療と介護の連携でみなさんが健康で自分らしい暮らしを送れるようお手伝いをしてまいります。困ったことがあればぜひご相談ください。

参考:
日本皮膚科学会:巻き爪の治療と対策https://www.dermatol.or.jp/qa/qa38/q08.html
NHK今日の健康:解決足のトラブル「巻き爪」https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/P2GNNRLW92/

胸の下あたりがギューっと痛くなる(63歳女性)

Q : 左の胸の下あたりがギューっと痛くなることがあります(63歳女性)
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A:胸の痛みはホント心配ですよね。胸から胃にかけて丁度みぞおちのあたりを専門的には心窩部と言いますが、このあたりが痛くなって気になる場合、痛みの具合や続き方にもよりますが、一度医療機関への相談をお勧めします。
特にすぐに対応が必要なのが狭心症や心筋梗塞、心筋炎や心膜炎です。 これらは心臓に十分な血液が供給されないため、心臓の筋肉や包み込む膜に異常が起こることで痛みが起こります。数分以上続く場合、冷や汗が出る場合、初めてでわからない場合などは、すぐに消防や医療機関に相談してみてください。また、みぞおちからお腹の上の方では消化器系の問題の場合もあります。胃潰瘍や逆流性食道炎では胃酸が食道に逆流することでいわゆる”胸やけ”や刺すような痛みを引き起こすことがあります。また、胆嚢に問題がある場合では肝臓のある側、右側に痛みが出ることが多いですが、左側にも広がることがあります。その他にも肋間神経痛や腹筋の痛みだけでなく、ストレスに対する反応や不安感などが原因で、胸の痛みを感じることもあります。
いずれの原因にしても、初めてこのような痛みが起こる場合や、時間が長く続くもの、頻繁に起こる場合や、他の症状(息切れ、めまい、吐き気など)を伴う場合は、医療機関に相談、受診しておくことをお勧めします。
日常生活で出来る予防法としては、食事、運動、睡眠、禁煙、適度な飲酒、ストレス対策が重要です。バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンや繊維の豊富な野菜、果物、全粒穀物、そして加工の少ない、ささみなどの低脂肪のタンパク質、新鮮な魚やオリーブオイル、えごま油などの質の良い油もお勧めです。また、味付けも注意が必要です。過度な塩分、脂肪分や糖分を控えることで、心臓病や消化器系の問題を予防できるでしょう。週に150分以上の中等度の有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)を目指しましょう。筋力トレーニングも体力に合わせて、週に2回以上取り入れると好ましいでしょう。喫煙は心臓病や呼吸器系の病気のリスクを高めます。気になる人はいつでもぜひ、禁煙を始めてみましょう。アルコールの摂取は適度に抑えましょう。女性は1日に1杯まで、男性は2杯までが目安です。そして睡眠、スポーツ選手や受験生のパフォーマンスが向上するとして注目されています。ストレスを減らすためにリラクゼーション法としてストレッチ、入浴、ヨガ、瞑想などと併せて睡眠時間や睡眠環境を大切にしましょう。また、定期的に健康診断を受けることも大切です。自治体や会社からのお知らせに従って受けてください、受けた結果で再検査や要精査の判定があれば、結果をを放置せず医療機関で相談しましょう。
以上胸の痛みについてはまとめてみました。症状を軽視せず、自分を過信せず、適切なタイミングで医療機関を受診してくださいね。併せて日常的な健康管理と疾病予防を続けること(いったんやめてもいいので、また再開すること)がとても大切です。
啓和会では地域の専門医療機関と連携し、地域の皆様の健康を医療と介護の融合で支えてまいります。ぜひお気軽にいらしてください。

 参考情報
Mayo Clinic:
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-disease/in-depth/heart-disease-prevention/art-20046502
厚生労働省:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-005.html
世界保健機関 (WHO):
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cardiovascular-diseases-(cvds)

最近、字を書こうとすると手がふるえることがあります

Q : 特に何もしていないのに字を書こうとすると手がふるえることがあります(72歳女性)

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A:日常では気にならないのに、ふとした折にきづく手の震え気になりますよね。手の震えにはどんな種類があり、どう対応したらよいのでしょう?

字を書こうとすると手が震えること、これは書痙、局所ジストニアなどと呼ばれることもあり、心理的な要因やシステムの異常など色々な理由で起こることがあります。熱心に一生懸命書こうとしたり、きれいな字を書かなければならないなどストレスを感じているとでやすいです。良い仕事をする時ほどまずは気分転換、リラックスして取り組む事をお勧めします。

一般的に、手の震えにはいくつかの種類があります。まず、生理的振戦と呼ばれるもので、普通のストレスや疲れで手が震えることがあります。これは誰にでも起こることで、特に心配はいりません。また、本態性振戦というものもあり、これは遺伝の影響があります。普段は震えないけれど、手を使うときに震えるのが特徴です。さらに、パーキンソン病や甲状腺の問題が原因で手が震える場合もあります。この場合は特別な治療が必要です。

では、どんな人が手の震えになりやすいのでしょうか。まず、ご年配の方です。お年を取ることで筋力の低下や神経のシステムに影響が出て、手が震えやすくなります。次に体質です。家族に手の震えの病気がある場合、その影響を受けることがあります。そして、特定の病気がある人も手の震えが出やすいです。例えば、パーキンソン病の人は安静にしていても手が震えることがありますし、甲状腺が過剰に働く甲状腺機能亢進症の人も同様です。また、神経の病気等、例えば小さな脳梗塞や多発性硬化症 (MS)等も手の震えから診断につながることもあります。さらに、一部の薬を飲んでいる人も手が震えやすいです。特に精神安定剤や抗うつ薬などの薬が原因となることがあります。アルコールやカフェインを多く摂る人も注意が必要です。長期間多量に摂ると手が震えることがあります。そして、ストレスや不安が多い人も手の震えが出やすいことがあります。

では、どうすれば手の震えを予防できるのでしょうか。まず、ストレスの原因と反応を調整すことが大切です。足湯やカフェで読書やおしゃべりなどリラックスする時間を持ち、深呼吸やストレッチ、好きな趣味を楽しむことを心がけてください。次に、バランスの良い食事を心がけましょう。繊維やビタミン、タンパク質など栄養バランスの取れた食事で体の調子を整えることができます。そして、十分な睡眠を取ることも重要です。長さだけでなく”良く寝たな”と感じる熟眠感を目安にしてみるとよいでしょう。さらに、適度な運動をすることも健康に良いです。無理のない範囲で運動習慣を取り入れることが大切です。

もし手の震えが気になる場合や症状が続く場合は、医療機関に相談することをお勧めします。病院では、まずいつ手が震えるのか、他にどんな症状があるのか、日常生活の中で困っていることは何かを聞かれることがあります。

啓和会では地域の皆様の”日頃の困った”に耳を傾け医療と介護のサービスで暮らしを支えてまいります。ぜひご相談にいらしてください。

参考】
手の震え 長寿医療研究センター 手の震え | 国立長寿医療研究センターhttps://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/03.html

(症状編)ふるえ 日本神経学会
https://www.neurology-jp.org/public/disease/fuzuii_detail.html

Parkinson disease 世界保健機関
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/parkinson-disease

Essential tremorメイヨークリニック
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/essential-tremor/symptoms-causes/syc-20350534

口内炎がなかなか治りません。胃腸と関係があるのでしょうか?

Q : 口内炎がなかなか治りません。胃腸と関係があるのでしょうか?(36歳女性)
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A : 口内炎は口の中にできる小さなおできのようなもので、食べ物を食べる時やおしゃべりをする時に痛みますが、他人から移ることはありません。なぜできるのかははっきりしませんが、口を噛んだり、辛い食べ物を食べたり、ビタミンB12や亜鉛などの栄養素が足りなかったり、ストレスがあるとできやすいです。たいていの口内炎は自然に治りますが、大きいものや治らないものがあったら、お医者さんに診てもらうことが大事です。
口内炎が治らない場合、胃腸の問題が関係していることがあります。口は消化器の始まりの部分であり、胃腸の状態が直接口の中の健康に影響を与えることがあるからです。ストレスや不規則な生活、栄養バランスの乱れなどが胃腸の不調を引き起こし、その結果、口内炎を誘発または悪化させることがあります。また、胃腸の疾患、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は、口内炎を含む多くの外部症状を引き起こすことが知られています。
その他に、口内炎の合併症には二次感染や栄養、話すことへの影響があります。二次感染とは口内炎が細菌によって感染することで、治療がより複雑になります。痛みによって食事が困難になり、栄養不足に陥ることがあります。さらに、口内炎が大きい場合や複数存在すると、いつものように話すことが難しくなる場合があります。非常にまれですが、免疫系が弱っている人では、口内炎からの細菌が血流に乗って全身に広がるリスクがあります。
口内炎を予防するために何が出来るでしょうか?それは、毎日のお食事、口腔ケアやストレス管理に気を付けることです。栄養バランスの取れた食事、特にビタミンB群、鉄分、ビタミンC、葉酸を含む食品を摂取しましょう。また、毎日の歯磨きを丁寧に行い、定期的に歯科検診を受けましょう。硬いブラシや強く磨くこと、歯を噛みしめる癖などが口内炎の原因になることがあります。そして、規則正しい生活を心がけ、1日7時間の充分な睡眠を取りましょう。リラックスして、趣味や気晴らしで心のバランスをとりることも心がけてください。口を刺激する煙草やアルコールの摂取を控えましょう。コーヒーやチョコレートの取りすぎも口腔内を刺激し、口内炎を引き起こす原因となります。
健康はまず口のお手入れから。啓和会野末整形外科歯科内科では1階の医科、2階の歯科のクリニックが力を合わせて、介護サービスと連携し、地域の皆様の健康に切れ目なく貢献します。

参考】
Disease and conditions, Canker sore – Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/canker-sore/symptoms-causes/syc-20370615

口内炎-公益社団法人神奈川県歯科医師会
https://www.dent-kng.or.jp/hagaitai/120/

季節の変わり目、身体がダルくてしかたありません

Q : 季節の変わり目や天気がはっきりしない時など、身体がダルくてしかたありません(59歳男性)
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 A : 暖かくなったり急に冷えたり。春や秋の季節の変わり目は頭痛、関節痛、倦怠感などの不調を訴える方もいらっしゃいます。外来では頭痛症、腰痛症、めまいの病名を付けながらお薬や検査のための紹介などで対応することが多いところです。
一方でこれらを「気象関連病」と呼び、湿度、天気、気圧などの環境変化が自律神経等に影響を及ぼし体調不良を引き起こしているとする考え方もあるようです。リウマチの患者さんの気候と痛みに関連する報告を調べた結果、天気が痛みに影響しているとは言い切れなかったが一部のリウマチ患者さんで”気候の影響を受けやすい集団”がいる可能性は否定できないとするレビューがある一方。気圧の変化と低音環境が慢性疼痛に影響する仕組み、メカニズムに関する報告もありました。果して「気象関連病」と呼んでいるのものが何かは確証がないままですが、個人的な意見としてご質問者へ向けて簡単に回答させてください。
①季節の変わり目に関して
季節の変わり目に身体がダルく感じるのは、自律神経の乱れ以外にも、アレルギー反応が関係している場合があります。春や秋の季節の変わり目は、春にはスギ、ヒノキ、秋にはブタクサ、イネなど花粉症やダニ、ハウスダストなどのアレルギー物質が多くなります。それらによって起こるアレルギー反応が疲労感やだるさを引き起こす可能性があります。これは、アレルギー反応で、炎症や免疫応答が起きエネルギーを消耗しているのかもしれません。対策として、アレルギー物質への対策をしましょう。アレルギーの原因となる花粉やダニなどから自分を守るための対策を取りましょう。例えば、花粉が多い日は外出を控える、室内の清潔を保つなどです。また、アレルギー反応が強い場合は、専門医に相談して適切な治療につながることが期待できます。免疫反応など詳しい検査や新しい薬による治療や、症状を和らげるための環境調整などを講じることが出来るかもしれません。そして、リラクゼーションも重要です。リラクゼーション効果の高いアロマテラピーを利用したり、ゆっくりとした音楽を聴いたりなど、気晴らしをしてリラックスし自律神経のバランスを整えましょう。
②天気がうつろいやすい時に関して
天気がコロコロと変わる時に体調を崩しやすい「気象関連病」と言えるかもしれません。天候の急激な変動は、頭痛やめまい、関節痛などを引き起こすことがあります。これは、正確な機序は不明なものの温度や気圧、気候の変化が直自律神経の働きに影響し、体内の様々なバランスを乱すためと考えられています。環境調整や適度な運動、が対策としておすすめです。急激な変化による不快感を和らげるためには、お仕事でもプライベートでも過ごしている部屋の温度や湿度を適度に保つことが有効です。加湿器や空気清浄機を上手に使ってくださいね。軽いストレッチやウォーキングなど、体を動かすことで血行や代謝を促進し、自律神経のバランスを整えることができます。季節の変わり目や天気の変動による体調不良は、日常生活の中で少しの注意や工夫で改善できることが多いです。しかし、症状が長引く場合や日常生活に大きな支障をきたす場合、鉄欠乏性貧血、甲状腺機能低下症、慢性疲労症候群、自己免疫疾患、低栄養や睡眠障害、その他精神疾なども考えられますので地域のかかりつけ医師にぜひご相談ください。必要な時は適切な専門の医療機関を紹介してもらえるでしょう。困ったときは、まずは受診を考えて頂くことが重要です。自己判断で放置せず、適切なアドバイスや治療を受けましょう。
啓和会では、優しい受付スタッフと優秀で心暖かい医療職のスタッフが、晴れの日も雨の日も、風邪の日も皆様のお越しをお待ちしております。もちろん、地域の各科専門医、大きな総合病院とも連携しておりますので、お困りの際にはぜひご相談にいらしてください。

【参考】
佐藤純「気象関連性疼痛のメカニズム」『PAIN RESEARCH』第34巻第4号、日本疼痛学会、2019年、312-315頁
Smedslund, G; Hagen, KB (January 2011). “Does rain really cause pain? A
systematic review of the associations between weather factors and severity
of pain in people with rheumatoid arthritis”. European Journal of Pain. 15(1): 5-10.

無性に氷が食べたくなります

Q : 無性に氷が食べたくなって、ガリガリといくつも食べてしまいます。(48歳女性)
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A:「氷食症」とは、無性に氷を食べたくなる状態を指し、しばしば鉄が足りないことによる貧血やストレスに対する反応であると言われますが、口の中の炎症を抑える効果や脳血流を増やすためなどと言われているものの、そのメカニズムははっきりとはまだ解明されていません。医師の診察や専門家による栄養指導で症状が改善することもあるので自分で抱え込まず相談しましょう。
氷食症は、栄養の無いものを食べ続ける状態(異食症)の一種で、女性に多い傾向があります。もし鉄欠乏性貧血であった場合は、血液中の鉄分が不足し、ヘモグロビンの生成が妨げられることで、身体は必要な酸素を適切に運べなくなるため、動悸や息切れ、めまい、顔色の悪さ、むくみ、頭痛などの症状が現れることがあります。対策として鉄剤の服用や、鉄分を多く含む食品の摂取が有効です。鉄分は赤身の肉、レバー、あさり、カツオやマグロなどの赤身の魚、枝豆や納豆、ほうれん草や小松菜などの野菜に多く含まれています。ただし、鉄剤の服用には倦怠感や吐き気などの副作用があることもあるため注意をしながら使いましょう。また、女性は月経量が多い場合、鉄欠乏性貧血を発症しやすくなるため、婦人科での相談もお勧めです。また、ストレス反応など心理的な要因であった場合も、心身や行動にさまざまな影響が出ることがあります。心理的なストレスが原因となり、食欲不振になったり、睡眠がうまく取れなくなったり、頭痛や胃の痛み、集中できなくなったり、イライラしたり、活気がなくなったりすることもあります。日常的な対策として、趣味や運動でリラックスできる時間を作り体を休める事、友人や家族と話してみる事で気持ちが楽になることがあります。また、規則正しい生活を心がけ、同じ時間に寝起きしバランスの良い食事をとる事、朝日を浴びる事なども有効です。一般に鉄欠乏性貧血や心理的な要因による体調不良は、日常生活の中で適切な対応をすると改善することが多いです。しかし、自分一人だけでは解決しにくい問題もたくさんありますよね?そんな時は、ご友人やご家族に思い切って相談し、医療機関等に相談することも選択肢です。自分の体と心のサインを見逃さないようにしましょう。
啓和会では、プライマリケアの勉強をした看護師や内科医師の支援を受けることができます。地域のみなさまの困りごとに各種医療機関の専門科のスタッフとも連携して対応して参りますのでぜひご相談にいらしてください。

Craving and chewing ice: A sign of anemia? – Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/iron-deficiency-anemia/expert
-answers/chewing-ice/faq-20057982
【第35回 氷をバリバリかじる人は病気?】
プライマリケアと救急を中心とした総合誌:レジデントノートホームページへようこそ – 羊土社
https://www.yodosha.co.jp/rnote/trivia/trivia_9784758115902.html

夜中に足がつってとても痛いです

Q:最近、夜中に足がつってとても痛いです。(68歳女性)
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A:1日立ち仕事で働きづめ、お風呂に入ってようやくゆっくり寝られると思ったその晩。夜中や明け方に足がつって目が覚めて眠れない。つらいですね。そんな足のつりの原因としては、次のような可能性があります。お仕事で酷使した筋肉のつかれ、マグネシウムなどのミネラル不足、血の巡りに脱水や冷えなどが一般的な原因とされています。毎日のバランスの良いお食事と水分の摂取が欠かせませんね。また、特定の疾患による足のつり、こむら返りも考えられます。これには下肢静脈瘤、血管炎、閉塞性動脈硬化症などの血液の通り道、血管系疾患、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病などのホルモンを出す内分泌系疾患、脳梗塞、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの神経に関連する疾患、糖尿病、肝硬変、低栄養状態などのいわゆるメタボ、代謝の異常、変形性関節症、腰痛症、関節炎などの骨や関節の疾患があります。これらの疾患が背景にある場合は、それぞれの治療やリハビリ、生活習慣の改善が予防の第一歩となります。
また、足がつってしまった場合の具体的な対処法としては、ふくらはぎのストレッチや足の温め、漢方薬の使用が挙げられます。ただし、漢方薬には副作用のリスクもあるため、毎日毎日続けて使うことはあまりおすすめできません。特に血圧や他に使用中の薬との”のみ合わせ”も考慮し、必要な時にだけつかう方が良いでしょう。また、足がつる症状が改善しない場合は、ヘルニアや下肢静脈瘤、糖尿病、甲状腺などの病気が関係している可能性があり、早めに整形外科、内科等の医療機関に行って相談をすることが大切です。
啓和会では、整形外科の専門医や内科医師の診察だけでなく理学療法士のリハビリを受けることができます。もちろん、地域の各科専門医、大きな総合病院とも連携しております。地域のみなさまの暮らしのなかの「困った」に喜んで対応いたしますので、ぜひご相談にいらしてください。

【参考】
Muscle cramp – Symptoms and causes – Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/muscle-cramp/symptoms-causes/syc-20350820

足がつる・こむら返り 原因・対処法、効果的な漢方薬 | NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1575.html

歩き方が変と言われます

Q : 歩き方が変と友人に言われました。靴などで矯正できるのでしょうか?(46歳男性)

A:たとえば人によって手相が違うように、歩き方にもそれぞれの個性、特徴があります。もしお体のちょっとした左右の違いが原因の場合は適切な靴を選んだり整体治療で調整できるかもしれませんね。
日常生活で問題が無ければわざわざ「矯正」しない場合もあるかもしれませんが、もし転びやすかったり生活の動作に差し支える時には医師・専門家の診断や治療が必要となることもあります。
歩き方が不規則だったり、左右のバランスが悪くなってしまう原因としては、骨や筋力の問題、さらに脳や神経の異常、疲れや心理的なストレスなどの要因が関係してくることもあります。原因を検査で調べて正しく診断をするには専門的な評価が必要となりますので、整形外科や理学療法士に神経内科や脳外科、精神科に相談する場合もあります。治療方法は具体的な症状や原因によって、理学療法や運動療法、特殊な装具を使うことがあります。また、場合によっては注射や手術を行うこともありますので、気がかりな点についてはかかりつけや専門の医療機関に相談するとよいでしょう。
啓和会では普段の生活のことから専門医の受診まで、相談員・介護スタッフとともに、医療の専門スタッフが力を合わせ、みなさまのお手伝いをいたします。

参考:
Movement disorders – Symptoms and causes – Mayo Clinic
高齢者の歩行障害 – 24. 高齢者の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版(msdmanuals.com)

油はねでヤケドしました。少し水ぶくれがあります。

Q : 天ぷらを作っていて油はねでヤケドしました。症状は軽く、少し水ぶくれがあります。(42歳女性)

A : お料理の時は、切り傷にやけどいろいろな怪我をしてしまいますよね。まずはやけどをきれいな水で15分程度冷却してください。小さい水ぶくれができている程度であれば、自宅で清潔に保ち、軽く絆創膏を付けたり、ガーゼ・包帯を巻くなどの対応が可能です。それでも痛みが強い、または水ぶくれが大きく、皮膚のめくれがひどいなど自宅で対応できない場合は、医療機関を受診し相談してください。
一般的にやけどは受傷部位、深さ、広さで重症度が決まり治療方針は軟膏塗布から皮膚移植まで幅広い選択肢があります。気がかりなことがあれば、地域のかかりつけや、皮膚科専門医へご相談ください。やけどの範囲と部位、やけどの色、水膨れの色や大きさ、個数などをお伝えいただければ電話やテキストでも相談できるかもしれません。
啓和会では、介護と医療の連携で日常生活から専門医の受診まで、介護のスタッフから地域の専門医、各総合病院とも連携しております。地域の皆様の暮らしのなかの「まさか」についてもぜひご相談にいらしてください。

参考:
Mayo Clinic “Burns: First aid”
https://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid-burns/basics/art-20056649
日本赤十字社HP
熱傷(やけど)|講習の内容について|講習について|日本赤十字社 (jrc.or.jp)