夜中に足がつってとても痛いです

Q:最近、夜中に足がつってとても痛いです。(68歳女性)
komuragaeri

A:1日立ち仕事で働きづめ、お風呂に入ってようやくゆっくり寝られると思ったその晩。夜中や明け方に足がつって目が覚めて眠れない。つらいですね。そんな足のつりの原因としては、次のような可能性があります。お仕事で酷使した筋肉のつかれ、マグネシウムなどのミネラル不足、血の巡りに脱水や冷えなどが一般的な原因とされています。毎日のバランスの良いお食事と水分の摂取が欠かせませんね。また、特定の疾患による足のつり、こむら返りも考えられます。これには下肢静脈瘤、血管炎、閉塞性動脈硬化症などの血液の通り道、血管系疾患、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病などのホルモンを出す内分泌系疾患、脳梗塞、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの神経に関連する疾患、糖尿病、肝硬変、低栄養状態などのいわゆるメタボ、代謝の異常、変形性関節症、腰痛症、関節炎などの骨や関節の疾患があります。これらの疾患が背景にある場合は、それぞれの治療やリハビリ、生活習慣の改善が予防の第一歩となります。
また、足がつってしまった場合の具体的な対処法としては、ふくらはぎのストレッチや足の温め、漢方薬の使用が挙げられます。ただし、漢方薬には副作用のリスクもあるため、毎日毎日続けて使うことはあまりおすすめできません。特に血圧や他に使用中の薬との”のみ合わせ”も考慮し、必要な時にだけつかう方が良いでしょう。また、足がつる症状が改善しない場合は、ヘルニアや下肢静脈瘤、糖尿病、甲状腺などの病気が関係している可能性があり、早めに整形外科、内科等の医療機関に行って相談をすることが大切です。
啓和会では、整形外科の専門医や内科医師の診察だけでなく理学療法士のリハビリを受けることができます。もちろん、地域の各科専門医、大きな総合病院とも連携しております。地域のみなさまの暮らしのなかの「困った」に喜んで対応いたしますので、ぜひご相談にいらしてください。

【参考】
Muscle cramp – Symptoms and causes – Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/muscle-cramp/symptoms-causes/syc-20350820

足がつる・こむら返り 原因・対処法、効果的な漢方薬 | NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1575.html

健康診断で肝臓が悪いといわれ続けています

Q : 以前から健康診断で肝臓が悪いといわれ続けています。以前にお世話になった病院で脂肪肝といわれましたが薬はもらえませんでした。飲酒習慣はありませんが仕事が忙しく病院受診はつい後回しになってしまいます。健康のためにはどういうことに気を付ければよいのでしょうか?(34歳男性)

A:お忙しい中ご質問ありがとうございます!定期健診や人間ドックは受けただけではもったいない。健康診断の結果はぜひ活用しましょう。
肥満や高脂血症、血糖異常の合併に注意した生活習慣の改善と内科受診の組み合わせが健康生活の「肝(きも)」です。
職場などで定期的に行う健康診断は生活習慣病の項目もカバーしており、肝臓が悪い=肝機能障害の所見は受診者の15%以上、つまり6-7人に1人の方に見られます。飲酒の頻度は世代の流れでだんだん減っている中、アルコール以外の生活習慣を背景にした肝障害への対応はますます注目されています。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)における肥満・生活習慣病合併の状況は性別年齢ごとの特徴があります。若い男性ではコレステロール異常(脂質異常症)、若い女性では高度肥満が多く、更年期以降の女性では2型糖尿病の合併が見られます。一方、肥満はメタボリックシンドロームの最も主要な症候であり、その肝臓病変であるNAFLD/NASHにおいても、肥満が最も重要な危険因子とされます。
専門的な指標での肥満とNAFLD/NASHの合併率について、ボディマス指数(BMI)23以下では10%、BMI 30以上の高度肥満者では80%といわれますが、アジア人は軽度の肥満でも臓器障害が強く表れるといわれ、さらに注意が必要です。

では何に気を付けたらよいのでしょうか?そのヒントは腸と肝臓の連関にあります。高脂肪食の摂取、急性腸炎、抗生物質の投与等により腸内細菌叢が乱れ、腸管透過性が亢進して血中のlipopolysaccharide(LPS)濃度が上昇する代謝性エンドトキシン症が生じて腸管から門脈を通して肝臓へ流入し、炎症を惹起し遷延を誘導することが分かってきました。カロリー計算だけのダイエットでなく、精製した炭水化物中心の高エネルギー低栄養の食事からビタミンや繊維の豊富な低エネルギー高栄養の食事に切り替えることも考えてゆきましょう。

果糖(フルクトース)は、体内では、エネルギー源となったり、ブドウ糖に変換されたり、トリグリセリド(中性脂肪)の材料になる。果糖は筋肉や肝臓で代謝される。フルクトースの取りすぎは高脂血症の原因となったり前述の腸管連関を通じて肝の繊維化等を来たしたりするため、果糖ブドウ糖液糖と表示のある甘い飲料水の取りすぎにも注意が必要です。

健康診断で指摘された肝障害は放置せず、早めの生活習慣の改善を含めてご相談ください。啓和会は介護と医療の融合で地域の皆様の健康生活を支えます。(金 崇豪)

◇厚生労働省「定期健康診断調」
◇特集 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)の最新知見 日本内科学会雑誌109: 2020
◇果糖の代謝 – fc2web.com 最終検索2月16日2020年
hobab.fc2web.com/sub4-Fructose_Metabolism.htm

最近汗かきになってしまいました


Q : 汗をかかない体質でしたが、最近汗かきになってしまいました。昨年結婚してので食生活が変わったのが原因でしょうか?
(36歳男性)

sick_takansyouA:運動して汗をかくのは気持ち良いものですが、間の悪い時に汗が止まらないのも困りものです。汗が出るのは汗腺や自律神経が関係しており、汗が多いことは「多汗」といいます。アルコールや肥満、ストレスなども多汗の原因にはなるようです。食生活の変化によるものの可能性も考えられますね。一方で薬剤や内臓疾患による多汗も時に見られるようです。まずは生活習慣の改善のもと、それでも気になる点あればご相談・ご受診いただくことをお勧めいたします。
(小澤穣)