最近、左中指の動きがカクカクすることが多くなりました

Q :最近、左中指の動きがカクカクすることが多くなりました。ストレッチしていますが、何か効果的な治療はありますか?(66歳男性)

A :手指の動きがご質問いただいた症状は「バネ指」の可能性があります。「バネ指」は、指の曲げ伸ばしを制御する腱とその通り道の異常で発症します。専門的用語では屈筋腱と靭帯性腱鞘というものが、丁度ベルトとベルト通しに似た機構で指を曲げ伸ばししているのですが、指の付け根で屈筋腱と靭帯性腱鞘の間で炎症が起こり腱鞘炎になることで動きがスムーズでなくなります。更年期女性や、手指をよく使う人、糖尿病やリウマチや透析患者さんにもにもよく発生すると言われ、親指、中指に多くその他の指にもみられることがあります。初期段階では、休息や抗炎症薬、スプリント(固定具)を使用した保護などで改善することがあります。しかし症状が続く場合は、専門的な診療が必要となります。

啓和会では、整形外科外来の診察及びリハビリを受けることが出来ます。地域の手術が出来る病院とも連携しております。地域の皆様の手や足の指に関する小さな「困った」に総合的に対応いたしますので、ぜひご相談にいらしてください。

参考:Mayo Clinic “Trigger Finger”
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/trigger-finger/symptoms-causes/syc-20365100

日本整形外科学会ホームページ

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/snapping_finger.html

1年で52キロから47キロに痩せてしまいました

Q : よく食べる方ですが、1年で52キロから47キロに痩せてしまい心配です。どんなことに気を付けたらよいでしょうか?健康診断は特に問題ありません。(47歳女性)

A : 健康に気を使っているのにやせてしまう!気がかりな中、ご質問ありがとうございます。「痩せ」いわゆる体重減少は、6か月で5%以上の減少があると臨床的にも問題とされます。よくある病気では甲状腺機能亢進症、糖尿病、うつ病、認知症や時に悪性腫瘍も鑑別に挙げることがあり時に段階的な検査と合わせて慎重な経過観察が必要です。47歳とお若く、52㎏からの体重減少は1年で5キロ。12か月でおよそ10%。問題となるレベルかどうかが難しいところです。もともと「肥満」ではなかった方の「痩せ」を外来で拝見した場合には発熱やエネルギーの消費量が増大するような疾患がなければ、次にエネルギー摂取不足を来す疾患を考慮して検査を進めてゆきます。大まかに、内分泌疾患、消化器疾患、感染症、心不全、腎不全、神経疾患、非感染性炎症疾患、悪性腫瘍、精神科疾患、アルコール、麻薬や覚醒剤などの薬剤性と幅広い鑑別をあげながら、各専門科と連携し、1か月から6か月程度の間隔で時間をかけて診療させていただくと思います。

しかしながらちょっと気になるのがご質問者様の性別とご年齢です。47歳、女性。もしかして更年期? ホルモンバランスが乱れると自律神経のバランスも乱れて、ただでさえ心身の状態は不安定になりがちです。加えて、家庭や人間関係、老後への不安、親の介護、子どもの教育、仕事など健康面や将来に対しての心配ごとが増えていく。更年期のお年頃は環境的な問題からもストレスを抱えやすい時期です。

一般的には、若い頃は多かった筋肉量も年齢とともに減ってしまい、若い頃と同じような食事を続けてしまい太りやすくなるというわけです。また、女性ホルモン(エストロゲン)も体重の増加に関係しております。排卵や月経に適した身体づくりのほか、脂肪の代謝を促すエストロゲンが、閉経を迎えて分泌量が減り、内臓脂肪がたまりやすくなります。

逆に!質問者様のように更年期になると、痩せてしまう人もいます。その理由は、胃の粘膜や腸の蠕動運動など消化器のはたらきが落ちて、食欲不振になり食事摂取量が低下していることも考えられます。併せて、自律神経のはたらきが乱れてしまうことが影響しているかもしれません。

ところで、肥満と痩せのどちらが健康によいのでしょうか?一般に中年以降の肥満は男女ともに慢性疾患のリスクを上げ、健康寿命の短縮につながることが分かっています。中年以降には肥満を避けて、筋力を保ちながら若いころの体重を維持することが賢明です。そこで健康的な痩せ方のポイントとなる、運動と食生活についてご紹介いたしましょう。

まずは、定期的な運動から!少し息が上がる程度の有酸素運動がお勧めです。ウォーキングでは腕を振りながら歩くと全身運動になり、筋肉にほどよい刺激を与えながら、全身を引き締めることができます。寒い季節や屋外の運動が不安な方は、転倒に気を付けながら踏み台昇降など自宅で行うこともできます。1週に150分程度の運動を目安に、脂肪を燃やしましょう!また、ある研究によると先生に倣いながら運動をすると短期間で効果的に筋力がアップするようです。

食生活において、無理な食事制限は禁物。続けられる範囲でよいので、タンパク質、繊維、ビタミンを豊富に含んだ様々な食材をバランスよく食べましょう!また、食べる順番もダイエットには効果的です。おかずから食べ始めましょう。脂肪や炭水化物を身体が吸収しにくくなり、血糖値の急な上昇を防げます。たとえば、食物繊維が豊富なごぼうやキャベツ、きのこ類をよく噛んで食べたら次に、お肉や魚などの主菜を食べ、最後にご飯やパンなどの主食を食べます。ゆっくりよく噛んで食べると糖質の摂りすぎや吸収を抑えられます。加えて、更年期世代の女性には植物性の女性ホルモン類似物質である大豆イソフラボンの効果も含めて、大豆はお勧めです!食事のコントロールと合わせてイソフラボンを摂取することで効果的なダイエットにつながるかもしれません。

いずれにしても、自分だけで悩みすぎないよう、周囲に理解を求め、専門家に相談できることも覚えておいてくださいね。運動やお食事についてはお近くのトレーナーや栄養士さんなどにご相談されてはいかがでしょう?

私ども啓和会も医療と介護の融合で地域のみなさんの健康な生活をサポートいたします。ぜひご相談ください。(金崇豪)

 

参考文献
◇中澤一弘 やせ 今日の臨床サポート https://clinicalsup.jp
◇Yang Zheng Associations of weight gain from early to middle adulthood with major health outcomes later in life JAMA.2017; 318(3): 255-69.
◇Molly B. Conroy Effectiveness of a physical activity and weight loss intervention for middle aged women: healthy bodies, healthy hearts randomized trial J Gen Intern Med.2014; 30(2): 207-13.
◇更年期・閉経後は痩せる 更年期で痩せる人・太る人とその原因 イソフラボン倶楽部 http://isoflavone.jp/column/

「男性の更年期障害」ってあるんですか?

Q : ストレスのせいかイライラすることが多く、妻や娘とも言い争うことも増えました。「男性の更年期障害」ってあるんですか? (49歳男性)

A:日頃からつのるイライラやつらい思い。でもおれは男、泣きとおすなんてできないよ。でも夜も眠れず寝汗でつらいし、なんだか不安で疲れやすい。外来にこんな方がいらっしゃると、日頃は漢方薬の出番。でも質問者様のおっしゃる通り、ストレスに対する反応に加えて、そのイライラ、男性ホルモンの減少が影響しているかもしれません。

医学上は加齢男性性腺機能低下症候群と呼ばれる、いわゆる「男性の更年期障害」は日本でも十数年前から知られるようになっており、2007年には日本泌尿器科学会、日本Men’s Health医学会公認で診療の手引きが発行され、その診療に際する最初のガイドラインが示されました。40代後半から60代でうつ病やメタボリックシンドローム、高脂血症や脳・心血管病変などのリスクとしても注目されています。

症状としてはのばせ・多汗、全身倦怠感、筋肉や関節の痛み、筋力低下、骨密度低下、頭痛・めまい・耳嶋、頻尿など。併せて、不眠、無気力、イライラ、性欲減退、集中力や記憶力の低下などとともにうつ症状が出る場合もあり、「男性の更年期障害」は、女性更年期障害とよく似た多様な症状が見られます。

週末は夜更かししてテレビを見ながらビールを飲んでお菓子をつまむ。日曜日は一日中横になって過ごしたりしていませんか?予防のためには生活習慣の改善が一番。適度な運動とバランスのとれた食生活が効果的です。筋肉を使うことでテストステロンが増え、ストレス解消にもなります。週150分程度のウォーキングやスロージョギングでメリハリをつけましょう。食事ではニンニク、タマネギなどのネギ類や、ヤマイモなどのネバネバ食品がおすすめです。また、良質な睡眠も大切。生活に張り合いが出るような趣味や生きがいを持ち、ストレスを解消しましょう。

それでも困った時は、当院内科へぜひご相談ください。漢方薬を中心として治療を考えることが出来るかもしれません。専門的な治療には泌尿器科や心療内科・精神科などスペシャリストの先生への紹介も含めて対応させていただきます。
(金崇豪)

 

参考文献
◇井手 久満 男性更年期障害(LOH症候群) 医療法人社団こころとからだの元気プラザhttps://www.genkiplaza.or.jp
◇石内裕人 第30回男性更年期の冷えと漢方治療 Kampo Square https://www.kampo-s.jp
◇岩本 晃明ら 日本人成人男子の総テストステロロン、遊離テストステロンの基準値の設定 日泌尿会誌.,95(6),p751-,2004.

テレビを観ていても、うたた寝してしまいます

Q : 毎日8時間近く寝ていてますが、最近それでもうたた寝をしたり、
テレビを見ていてもすぐに眠くなります。あまり寝すぎると良くないとも聞きます。(64歳男性)

 

A:「春眠暁を覚えず」といいますが、つい寝坊してしまうことがありますよね。いわゆる日中の眠気と言うと、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、概日リズム睡眠障害や更年期の睡眠障害を含めていろいろな原因が考えられます。中でも睡眠時無呼吸症候群ではいびきや起床時の爽快感欠如、日中の疲労感などが見られます。当院ではプライマリケアの一環として睡眠障害全般の外来診療にあたっております。どんなに寝坊しても診療時間内にいらしていただければ診察させていただきますよ。
(金 崇豪)