2024年09月02日

朝起きると、手がしびれたような感じがします

Q:朝、起きた時に手がこわばったような、しびれたような感じがします(70歳男性)
sick_syokei_keiren
A:こんにちは。朝、起きたときに手がこわばったり、しびれたりする感じがすると心配になりますね。この症状はいくつかの理由で起こることがあります。
まず機能的な軽いこわばりやしびれの場合、寝ている間に手を長時間同じ姿勢で動かさないことが原因で圧迫されると血液の流れや神経の働きが一時的に悪くなることがあります。起きてしばらく時間がたつと、しびれが徐々におさまり普段通り手を動かすことができます。
一方病気では、関節リウマチによるものでは朝のこわばりに加えて、長く続く痛みや関節の腫れや熱い感じが見られます。手根管症候群などで手の神経の通り道が狭くなると手のこわばりが朝だけでなく、日中も続いたり、力が入らず物が持てなくなったりします。また、糖尿病など全身の病気でも、手のしびれが起こることがあります。
特に、しびれやこわばりの原因が病気の場合もあるのでほうっておいてはいけません。リウマチは手足や首の関節が変形したり、糖尿病では透析が必要になったり、脳梗塞や心筋梗塞など血管の病気のリスクが高まります。これらは一度起こってしまうと後遺症が残り暮らしが不便になってしまうリスクが高いので予防と相談を心がけましょう。こわばりやしびれが長期間にわたり症状が続く場合、医療機関に相談することをお勧めします。
しびれやこわばりは、日頃の生活で気を付けることで予防できる場合があります。寝ている時の姿勢や、適度な運動、栄養バランスの良いお食事を心がけてください。
寝ているときに手や腕が体の下に入ってしまうと、血液の流れが悪くなり、こわばりやしびれを感じることがあります。寝るときに腕を体の下に入れないように工夫すると良いでしょう。
また、こまめに手や指のストレッチや軽い運動を取り入れると効果的です。手の筋肉や関節を動かすことで、血液の流れを良くし、こわばりを防ぐことだけでなく体の動きの維持が期待できます。肩関節や股関節など日頃余り動かさないところもしっかり動かしましょう。最近は動画でも様々な運動を紹介しているものがあるので、”#ストレッチ”等で検索してみてください。
そして、食事や睡眠も大切です。神経や筋肉を栄養する栄養バランスの良い食事をとり疲れをシッカリとることで、健康な生活を心がけるましょう。特にビタミンB群やマグネシウムが豊富な食品を摂ることと生活スタイルに合わせて睡眠をシッカリとる事が、からだとこころの健康を保つために役立ちます。
長くしびれやこわばりがある場合はもちろん、定期的な健康チェックも大切です。年に1回の特定健診などを利用してご自身の健康状態をチェックしましょう。第一に、症状が続く場合や、悪化する場合は、早めに医師に相談しましょう。次に、定期健診・検診を活用しましょう。ご自宅に届いている案内封筒をそのままにしていませんか?定期的な健康チェックを受けることで、早期に病気を発見し適切な治療を受け健やかに暮らしましょう。
啓和会は介護と医療の融合で地域のみなさんの暮らしを支えます。また、診療所では特定健康診査・特定保健指導をはじめ各種がん検診を実施しております。介護が必要な方、訪問が必要な方はもちろんそのご家族もぜひご相談くださいね。

参考)
リウマチお困りごとチェックシート | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR):
https://www.ryumachi-jp.com/general/checksheet/
Newsroom Rheumatoid arthritis, WHO:
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/Rheumatoid-arthritis