2024年03月01日

無性に氷が食べたくなります

Q : 無性に氷が食べたくなって、ガリガリといくつも食べてしまいます。(48歳女性)
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A:「氷食症」とは、無性に氷を食べたくなる状態を指し、しばしば鉄が足りないことによる貧血やストレスに対する反応であると言われますが、口の中の炎症を抑える効果や脳血流を増やすためなどと言われているものの、そのメカニズムははっきりとはまだ解明されていません。医師の診察や専門家による栄養指導で症状が改善することもあるので自分で抱え込まず相談しましょう。
氷食症は、栄養の無いものを食べ続ける状態(異食症)の一種で、女性に多い傾向があります。もし鉄欠乏性貧血であった場合は、血液中の鉄分が不足し、ヘモグロビンの生成が妨げられることで、身体は必要な酸素を適切に運べなくなるため、動悸や息切れ、めまい、顔色の悪さ、むくみ、頭痛などの症状が現れることがあります。対策として鉄剤の服用や、鉄分を多く含む食品の摂取が有効です。鉄分は赤身の肉、レバー、あさり、カツオやマグロなどの赤身の魚、枝豆や納豆、ほうれん草や小松菜などの野菜に多く含まれています。ただし、鉄剤の服用には倦怠感や吐き気などの副作用があることもあるため注意をしながら使いましょう。また、女性は月経量が多い場合、鉄欠乏性貧血を発症しやすくなるため、婦人科での相談もお勧めです。また、ストレス反応など心理的な要因であった場合も、心身や行動にさまざまな影響が出ることがあります。心理的なストレスが原因となり、食欲不振になったり、睡眠がうまく取れなくなったり、頭痛や胃の痛み、集中できなくなったり、イライラしたり、活気がなくなったりすることもあります。日常的な対策として、趣味や運動でリラックスできる時間を作り体を休める事、友人や家族と話してみる事で気持ちが楽になることがあります。また、規則正しい生活を心がけ、同じ時間に寝起きしバランスの良い食事をとる事、朝日を浴びる事なども有効です。一般に鉄欠乏性貧血や心理的な要因による体調不良は、日常生活の中で適切な対応をすると改善することが多いです。しかし、自分一人だけでは解決しにくい問題もたくさんありますよね?そんな時は、ご友人やご家族に思い切って相談し、医療機関等に相談することも選択肢です。自分の体と心のサインを見逃さないようにしましょう。
啓和会では、プライマリケアの勉強をした看護師や内科医師の支援を受けることができます。地域のみなさまの困りごとに各種医療機関の専門科のスタッフとも連携して対応して参りますのでぜひご相談にいらしてください。

Craving and chewing ice: A sign of anemia? – Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/iron-deficiency-anemia/expert
-answers/chewing-ice/faq-20057982
【第35回 氷をバリバリかじる人は病気?】
プライマリケアと救急を中心とした総合誌:レジデントノートホームページへようこそ – 羊土社
https://www.yodosha.co.jp/rnote/trivia/trivia_9784758115902.html