コーヒーは健康飲料と聞きましたが一家全員お茶党です

Q:テレビや雑誌でコーヒーは健康飲料と聞きましたが一家全員お茶党です、かぜ以外では滅多に病院にお世話にならない私はコーヒーに乗り換えるべきでしょうか?(40歳女性)

A:結論から申し上げます。乗り換える必要はありません、お茶を楽しんでください。

今回はコーヒーについて調べてみました。日本にコーヒー豆が渡ったのは16世紀から17世紀。オランドとポルトガルから渡ったその飲み物は、当時の日本人には「焦げ臭くて苦く飲めやしない」ものでした。19世紀後半になって日本で初めての喫茶店ができ、知識人や文化人の交流の場となりました。経営安定のために月額50銭の「サブスク」が導入され、西洋建築2階建ての店内では食事や喫煙の共にコーヒーが供されていたました。大正時代に入ると、喫茶店には女給がサービスに就く特殊飲食店と、軽食やコーヒーを楽しむ純喫茶とにわかれました。前者は銀座や新宿、後者は神田や神保町と現代の街のテイストにも受け継がれていると思いませんか?

そんな喫茶店で淹れる飲み物、コーヒーは「大人の飲み物」の代表です。昔は「こら、カフェインは体に悪いからダメ!!」などと叱られながら、少しすすったミルクコーヒーの「背伸びした」味を思い出します。20年程前からコーヒーの健康への影響は大幅に見直されました。糖尿病や肝臓病さらには各種悪性腫瘍(がん)にまで健康増進の効果が認められています。折り紙付きの健康飲料としてコーヒーは医療関係者の中でも歓迎されています。その内クリニックの外来で処方するようになるなんて言う冗談を言う方もいらっしゃいますよ。

コーヒーに豊富に含まれるポリフェノール等の抗酸化作用が健康効果が強く、カフェインやアクリルアミドの含有量は1日4杯程度の量であれば気にする必要は無い様です。また、コーヒーの成分は口腔内や腸内の細菌叢の菌数や構成にも影響を与えており健康効果の研究がさらに進められています。

質問者様のように心臓や血圧、胃腸に大きな問題がない方は健康効果を期待してコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか?繰り返しになりますが、お茶党の方は緑茶にも健康効果が見られるので、無理にコーヒーに変える必要はありませんよ。そして付け合わせを工夫してお砂糖や小麦は控えめに!

 

診療所では内視鏡検査や定期康診断など予防医療にも力を入れています。窓口や電話でのご相談やホームページをご参照ください。

 

啓和会は「医療」「介護」「福祉」の一貫した地域包括ケアで地域の方々の生活の質の向上を目指します。

 

◇旦部幸博 コーヒーの科学「おいしさ」はどこで生まれるのか?

◇history of coffee in japan https://en.goodcoffee.me/column/guest-columnist/history-of-coffee-in-japan/

就寝中トイレに行きたくなります

Q : トイレはそれほど多いほうではないのですが、夜寝ている時だけ多くなります。
トイレに行ってから寝たのにまたすぐに行きたくなることもあります。(60歳男性)

A:夜間頻尿の症状でしょうか。寒くなるとそれだけで尿量が増えることもあります。日中の生活が影響を与えることもあり、カフェイン・アルコールの摂取も尿量と関連があるようです。頻尿には精査と治療が必要になることがあり、原因としては糖尿病や尿崩症、前立腺肥大症、過活動膀胱、間質性膀胱炎なども挙げられます。トイレが多くて困った時、まずは外来でご相談ください。
(金 崇豪)