カラオケに行っても以前のように調子が出ません

Q : カラオケに行っても以前のように調子が出ません。知り合いにはボイストレーニングを勧められたのですが、なかなか敷居が高くて乗り気になれません。他に何か良い方法はあるでしょうか?(60代男性)

A : アンチエイジングの波は声まで来ているようですね!!カラオケは日本の文化。健康維持と社会貢献の観点から声はアンチエイジングの良いターゲットになっております。
声は呼気流で声帯が振動することにより発生します。十分な肺活量、健常な声帯粘膜の振動、さらに口腔、咽頭、鼻腔による共鳴が声の音色を形作ります。
声帯細胞が老化するとビタミンA含有量が低下し、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生が低下します。この変化は男性により顕著で、声帯粘膜は委縮し固く変性します。また横隔膜などの筋力低下や脊椎の前弯による胸郭の変形で呼吸機能が低下すると声門下圧が下がります。共鳴腔の老化は軟口蓋の筋肉、咽頭括約筋の減弱化とともに音色の形成、声の響き、滑舌などに影響を与えます。
声のアンチエイジングとしては、声帯の潤いのための十分な水分摂取や胃酸逆流症のコントロールが重要です。また、大声、高い声や囁き声の乱用にも気を付けましょう。質問者様がお知り合いに勧められた発生訓練(音声治療)も声帯筋をはじめ呼吸・共鳴の適正化を目指した治療として行われます。サプリメントでは抗酸化物質のアスタキサンチンもビタミンCの6000倍ともいわれるその強力な抗酸化作用とともに有用性が認められているようです。併せて、また、最近では線維芽細胞増殖因子を声帯に直接注射する再生治療が行われている施設もあるようです。
敷居の低いところでは、水分補充と胃酸の逆流、骨粗鬆症の治療から始めてみてはいかがでしょうか?当診療所、内科・整形外科外来でご相談ください。興味深い質問ありがとうございました!(金崇豪)

年々滑舌が悪くなっています

Q : 歳のせいか年々滑舌が悪くなっています。アナウンサーの方はお年を召されていてもハキハキとしていますが、トレーニングで治せるのでしょうか?(56歳女性)

A : アナウンサーの方々は、一見すると簡単にしゃべっているようで、かなりのトレーニングを積まれていると伺ったことがあります。滑舌とは、心理的な状態や身体的な問題、そして心身ともに健康な方でも気温や湿度などの環境など、多くの因子が影響を与えます。そして、身体やこころの内的因子に関しては、有効なトレーニングはあるでしょう。実際、啓和会のデイサービスやグループホームでは嚥下訓練やリハビリの一環として、お食事の前に発生や舌の運動を専門スタッフの指導の下で実施しております。
もちろん、口内炎、舌痛症などお口や義歯のトラブルが原因となれば、当院2階歯科外来へ!構音・呂律障害など気になる点があれば1階内科外来へもぜひご相談ください!(金 崇豪)