2018年06月14日

あがり症で結婚式のスピーチが心配です

Q : あがり症で、人前に出ると言いたいこともすっ飛んでしまします。友人の結婚式のスピーチに向けて一時的な対処方法は?(28歳男性)

A : 友人や親戚の結婚式、スピーチはつきものですよね。苦手であっても新郎新婦の晴れの舞台ですから頼まれれば断りにくいものです。
さて、人前での発表などで起きやすい「あがり症」は比較的強い不安ですが、日常生活や社会機能を著しく障害しなければ正常範囲の不安とも言われます。一方でこの「あがり症」は精神疾患の社交不安障害との類似も多く、これら「不安」にはカウンセリングや瞑想、運動、認知行動療法、薬剤で症状が改善することが分かっています。
カウンセリングでは生活のストレスについて話し合い問題領域を特定すること、特定された問題領域への対処法について話し合うこと、問題に対する進展の評価や臨床的要求について話し合うなどのステップを踏みます。また、近頃流行りのマインドフルネスや瞑想も不安だけでなく痛みや抑うつに対して、ある程度は効果があるようです。また、認知行動療法はより効果的で、認知行動療法単独でも薬剤と組み合わせても行われます。薬剤ではベンゾジアゼピン系や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が効果的であるといわれます。
心理学的なアプローチからは「あがり症」の原因には失敗への不安、責任感、性格感情などの個人の特性、準備不足感、新奇性、他者への意識や劣等感などがあるようです。一時的ではありますが手軽な対処として、声を出して繰り返し練習するなど準備に十分な時間をかけることで、失敗への不安や準備不足感を減じてみてはいかがでしょうか?
任されたスピーチを準備した通り流暢にこなすのも良し、初々しく「あがってしまう」謙虚さを魅せるのもまた良し。いずれにせよスピーチを引き受けたそのこころざしは新生活への花向けになること間違いなしです!(金崇豪)