2019年09月03日

吐き気をもよおすことが多くなりました

Q : 何かにつけて吐き気をもよおすことが多くなりました。好きなとんこつスープの臭いもダメな時があります(41歳男性)

A : まさかの二日酔い?なんてことはありませんよね。大好きなラーメンの匂いなのに吐き気を催してしまう、つらいですよね。吐き気の原因と仕組みについて少し見てみましょう。
吐き気とは嘔吐の前兆で、多様な原因で起こります。よくある原因としては、薬剤、心臓病、筋、頭痛、筋肉や骨の痛み、胃炎や膵炎、てんかん、妊娠や空腹などなど。実に多様です。男性よりは女性に多くみられ、人種差があるようで米国人の間ではアジア系の人に多いという報告もあります。

吐き気は、不安やイライラなどの気分の移り変わりを背景に、大脳や小脳などの中枢神経と自律神経、知覚神経などの末梢神経、さらに胃腸の運動や内分泌(ホルモン)を含んだシステムで引き起こされます。吐き気を伝える働きを持つのは、セロトニン/ドパミン、ヒスタミン/アセチルコリンなどの神経伝達物質であり、これらの作用が吐き気止めの薬理作用に応用されています。

実際に、不安を抑えるお薬から、吐き気の伝達過程に作用するお薬までさまざまなお薬が吐き気止めに使われます。そして、急性期の吐き気、慢性期の吐き気を比べると慢性期の吐き気のほうが対応に難渋します。また、東洋医学のツボが吐き気に効果があるとされ、最近の科学的研究でその効果が証明されてきています。いくつか紹介しますと、薬指の爪の付け根(関衝)、手首の付け根(内関)、手のひらの中央のくぼみ(労宮)、人差し指の根元の手のひらの骨の中間にある圧痛店(合谷)などのツボがあります。ぜひお試しください。

ご質問者様、日頃の疲れやストレスが溜まっていませんか?吐き気の背景には心や気分の状態と、様々な病気の可能性があります。まずは生活を見直しましょう。吐き気でお悩みの場合、また症状が長く続く場合は、内科や消化器内科へご相談ください。

当院内科外来は川崎小田地区でプライマリケアとして専門科の先生とも連携しながら地域のみなさまの様々な「困った」に対応しております。(金 崇豪)

◇latte column 健康サイト https://latte.la/column/45011246
◇Prashant Singh et al. Nausea: a review of pathophysiology and therapeutics Therap Adv Gastroenterol. 2016 Jan; 9(1): 98–112.