Q : 最近、身体がダルい日が多く、微熱が1週間ほど続いています。(63歳女性)
A : ダルさ=倦怠感・疲労と微熱ですね。診察室へも多くいらっしゃいます。今週はお出かけが続いて日中頑張りすぎたのか、夕方から始まる倦怠感と微熱に悩まされますが、朝になると幾分かよくなっている時にはどうしたらよいのか、いっしょに考えてみましょう。
倦怠感・疲労を訴える成人人口は1割から3割にも登ります。いつから症状があるのか、そして眠気や呼吸困難、筋力低下などほかの症状に有無が重要です。また 微熱は一般的に腋下温37.4℃までの体温上昇を言い、病的な発熱と、病的意義のないものの両方が含まれると言われます。原因や経過についてご本人といっしょに記録して、経過を追いながら考えてゆくことが大切で、時には体温表(熱型表)につけていただくこともあります。
微熱は自然軽快することがあるので、経過観察とすることが多いですが、苦痛が強い場合には、解熱剤を使います。一方で微熱は感染症や膠原病、薬剤熱などが原因のこともあり必要に応じて専門科と相談しながら診療にあたってゆきます。
また、倦怠感・疲労と切っても切れないのが睡眠障害です。眠るときには部屋を暗くしていますか?テレビやラジオ、携帯電話・タブレット等を寝室で使用していませんか?高齢の方は日中に明るい窓際で過ごし、昼と夜のリズムを付けることも重要です。睡眠障害は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などに分けられますが、自分にあった睡眠時間の確認や睡眠時の無呼吸の有無も治療方針にかかわってきます。もし、単純な睡眠時間の不足であれば、睡眠時間の確保、かたや時間がない方は日中30分以内の仮眠が効果的です。
6カ月以上継続する疲労は「慢性疲労」と呼ばれ、精神科的な疾患も考慮し専門科への相談も考えながら診療してゆきましょう。
当院内科では主に身体的な疾患については血液検査や画像検査を組み合わせて診断と治療を行ってゆきます。軽度の貧血やビタミン不足から眠気や倦怠感・疲労が見られることもありますので、ご相談者様もご家族様も健康診断からぜひご相談ください。(金崇豪)
参考文献
◇鈴木智晴 徳田安春 疲労・倦怠感 今日の臨床サポートhttps://clinicalsup.jp/jpoc
◇横江正道 野口善令 微熱 今日の臨床サポート
https://clinicalsup.jp/jpoc