2018年05月14日

終末期医療は話題ですが実感がわきません

Q:一昨年父をがんで亡くしました。父は病院で亡くなりましたが、看病していた母は、自分は最期まで自宅で暮らしたいと言うのが口癖です。テレビでも終末期医療は話題ですが実感がわきません、教えてください?(64歳男性)

A:ご自宅で最期を過ごされたい、そんな希望があればできる限りお応えしたいと常々思っています。お看取りは人生の最期(臨死期)において「お世話をする」、「見守る」、「看病する」行為であり、緩和ケア、終末期ケアと密接に関連があり、在宅医療の中では大きなトピックです。
緩和ケア、終末期ケアは、患者さんご本人の意思を尊重し、身体的、精神的、社会的、霊的苦痛(スピリチュアル・ペイン)を緩和することで、その人なりが充実したと思える最期を迎えられるように、ご家族・介護スタッフ・医療スタッフで連携して援助することを指します。
さて、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関する厚生省のガイドラインが2018年3月に病院だけでなく在宅医療・介護の現場でも活用できるよう改訂されました。以下に簡単にまとめますので、よろしければご参照ください。

医療・ケアチームに介護従事者も含まれることが明確になりました。
時間の経過や心身の状態におうじて本人の意思は変化しうるものであることが確認されています。
本人が自らの意思を伝えることができなくなった時に本人の意思を推定する者について、家族や親しい友人も含めて前もって定めておくことなどの重要性を強調しています。
話し合ったことはその都度文書にまとめて共有しておくことが大切です。
どうしても意見がまとまらないときには医療・ケアチーム以外の複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置することも考慮します。

私ども啓和会では医療と介護の融合したサービスで、これからも川崎区南部の地域包括ケアに尽力して参ります。お困りのことがあれば何なりとご相談ください。(金崇豪)