Q : 夫から姿勢が悪くて「おばあちゃんみたい!」と言われました。でも治らないですよね?(59歳女性)
A:奥様のご様子がつい気になってしまう、優しく素敵な旦那様ですね!
人生100年の時代が来るとも言われる中、みなさも充実した日々をお過ごしのことと存じます。今回は悪い姿勢=姿勢異常についてです。
若年者の場合には成長に伴い変形が増悪する可能性が高い姿勢異常ですが、相談者様はミドルからシニアの移行期。このお年頃での脊柱変形は、腰の変性による側弯症や骨粗鬆による腰の骨折などが多く、日常生活に差し障るだけでなく、逆流性食道炎など内臓の障害にも関係が出てきます。
早めに気づきたい姿勢異常ですが、そもそもご家庭では左右の肩の高さを比べたり、ウエストラインが左右対称かどうかを確認したり、両手を合わせた状態で、体幹を前屈させてろっ骨の出っ張りを観察することお気づきになる方もおられるようです。
少し専門的になりますが、よくある病気では特発性側弯症、先天性側弯症、骨粗鬆性椎体骨折後の脊柱後弯、腰椎変性後側弯症などがあります。また、脊椎骨折、化膿性脊椎炎、脊椎腫瘍、腰椎変性後側弯症で下肢痛や麻痺を伴う場合は重篤な状態が疑われます。一方で、まれではありますが神経・筋原性側弯症、神経線維腫症、間葉性疾患による側弯症、パーキンソン病など、治療可能な病気もあります。変形が進行する場合などは専門医の診察がお勧めです。気になる場合はぜひ、当院外来にご相談ください。専門医への相談も承っております。(金崇豪)