2016年02月12日

フィリピンからの直接受入 Case3:イサギラ・ロセラさん

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ダバオはフィリピン南部ミンダナオ島に位置する、マニラ、セブとならぶ大都市。
1年前、イサギラ・ロセラさん(現30歳)と愛娘の雪美ちゃん(現9歳)が暮らしていた街です。日本国籍をもつ娘といっしょに、日本で暮らすことが夢だったロセラさん。日系人向けに就労支援などを行っている法人やエージェントを通してチャンスを伺っていました。

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◎来日前
そんな時、SNN(親日系人ネットワーク)というNPO法人が “道” を開けてくれました。Facebookを使って、日本とテレビ電話で面接。
「日本に行く前の研修制度や、日本での福利厚生など、啓和会のサポートは介護関連企業では特別だと思いました。また日本にフィリピン人の人事担当者がいることも安心できた理由のひとつです。選んでいただいて、本当に感謝しています」
ダバオから単身で3ヶ月半。セブでのトレーニング。セブ・ドクターズ・ユニバーシティという大学で介護の資格(初任者研修に該当)を取得し、ほぼ毎日、日本語学校で、ひらがな、カタカナがなんとか読めるくらいまで勉強しました。

◎来日直後
2014年2月。フィリピンには無い、自分の名前にある “雪” が見たかった娘と二人、待望の来日。ちょうどそのころ川崎市にも、二人を歓迎するかのように、珍しく雪が降りました。その日から、すぐに生活できるように啓和会での準備は万全です。でもロサリーさんがナイーブになるのは子供のこと。特に学校教育についてでした。近年、外国人の人口が増加している川崎市には、日系や外国人児童のための就学支援を行う”川崎市総合教育センター”という行政機関があり、何かと親切に対応してくれます。その一つが、入学前の親子との面接です。
「面接といっても会話ができなかったので、付き添ってくれた啓和会の金子マリテスさんに全てお任せでした。学校のこと以外でも、その頃は困ったら、何でも相談していました。いまでもですが・・」

◎現在
「私が勤務している小規模多機能ホームは、とても家庭的な職場です。ご利用者さんも、スタッフも、みんなまるで家族のように接してくれます」
食事の支度はロセラさんのお得意です。日本料理は日本人顔負け?中でも煮物(かなり難しい)には自信があるとのことです。学校が休みの日には、同じ直接受入で入社した田中ロサリーさん家族といっしょに、ディズニーシーに行ったり、上野動物園でパンダを見たり。子供もすっかり日本での生活に慣れて、学校生活をエンジョイしているようです。啓和会で開校している日本語教室では、悪戦苦闘しているロセラさんですが、目標は日本での介護の資格取得。頑張ってください!ネバー・ギブアップ!

◎菅野施設長
「自分の中で、介護人材において外国人の力が必要という考えが強かったので
最初から全てがスムーズでした。言葉の問題などはまったく苦にはなりませんでした。フィリピンの方みんながなのか、彼女がなのか、とにかく気持ちが優しいです。そのあたりはご利用者さんが一番感じていると思います。私の指導スタイルは、最初から決して褒めない。きちんと言う。それにしっかりついて来てくれたロセラさんです。十分に資格が取れる資質があると思います」

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日本には四季があります。特に冬の寒さはフィリピンにはありません。
でもロセラさんは半袖のユニフォームで元気いっぱいです。

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ご飯を作ったり、掃除をしたり、いっしょに洗濯物をたたんだり。ご利用者さまとの楽しい毎日。でもお年寄りなのでちょっとしたコンディションの変化には細心の注意が必要です。

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週2回、日本語教室でお勉強。本人はもちろん家族も受講料はありません。
子供たちに負けずにみんな、頑張ってくださいね。